働き方

サテライトオフィスとは?そのメリットとデメリットを解説

執筆者:中西 英雄

働き方改革という言葉も一般化してきていますが、その概念に関しては、まだ十分に浸透していないのではないでしょうか?その本質は“労働生産性を高めること”、“多様的な働き方を促進すること”です。

例えば、世界的に日本の奇妙な風景とされていたものに「朝の満員電車」があります。通勤に片道1時間かけて、満員電車に揺られたら出社前にもう疲れている……そんな毎日がなくなるというのは、大きな働き方改革ではないでしょうか?

現在、多くの企業が独自の働き方改革を実践していますが、いま大きな注目を集めているのが“オフィスの在り方”です。果たして、オフィスで働くことは生産性が高いのか?という根本的な疑問に端を発して、リモートワーク、テレワーク、モバイルワークなど場所を選ばない多様な働き方が存在します。その一方で、オフィスの所在地を変える、もしくは増やすことで多様的な働き方を実現しようとする試みが“サテライトオフィス”です。

今回は、サテライトオフィスの紹介と、メリット・デメリットを紹介していきます。

そもそもサテライトオフィスとは?注目されている理由

サテライトオフィスとは、企業の本社・本拠地から離れた場所に設置されたオフィスのことです。本社の“サテライト=衛星”のように存在することから、このように名付けられました。

サテライトオフィスと支店・支社との違いは、用途にもよりますが、より小規模な営業所を指す場合が多く、「都市型」「郊外型」「地方型」の3つに大別することができます。

 

【サテライトオフィスの3つの種類】
●都市型=主に外回りの営業が帰社せずとも仕事ができるように主要拠点に置かれる
●郊外型=ベッドタウンに置かれ、通勤時間の短縮や介護・育児との両立が目的となる
●地方型=地方自治体が誘致を行う場合もあり、二地域就業によるBCP(事業継続計画)や雇用の促進、自然に囲まれた環境で人間らしい生活の実現などが期待される

 

どの地域にサテライトオフィスを配置するは、それぞれ目的が違うため、個別のメリットに関しては後述します。共通するメリットは、冒頭のように多様的な働き方を促進することになります。

なぜ、多様的な働き方が必要か?それは今後の日本の人口とも大きく関係しています。今後、労働人口が減少する日本では、人材の確保は最優先課題となります。働き盛りの世代は、育児と介護のダブルケアを担う世代となり、より生産性や多様的な働き方を促進していかないと、日本経済は立ち行かなくなります。企業が従来型の働き方をつづけていると、多くの人材が流出するリスクを背負うことになります。

サテライトオフィス、シェアオフィスのサービスが続々と開始

そのような状況下、多くの企業がサテライトオフィスへの関心を示しています。それに呼応するように多様なサービスが生まれています。2017年にアメリカから日本に上陸したシェアオフィス最大手のWeWorkは、フリーアドレス制のコワーキングスペースとプライベートオフィスのサービスを都市圏で展開しています。また東京急行電鉄株式会社もサテライトシェアオフィス「NewWork」を2017年11月に、また東武鉄道株式会社も“育児と仕事の両立”をコンセプトにした厚生労働省認可のサテライトオフィスを2017年8月にスタートしています。いずれも民間の大手企業が提供しているサービスは「都市型」「郊外型」になり、シェア型、コワーキングスペースが多くなっています。

総務省もサテライトオフィスを推進!

「地方型」と呼ばれるタイプは、国と地方自治体が一体となって推進しています。厚生労働省の「おためしサテライトオフィス」では、働き方改革に地方創生を融合した提案を行っています。企業誘致を行っている全国の地方自治体が掲載している他、支援も行っています。東京などの大都市と変わらないICT環境を提供することで、自然に囲まれた職住環境で豊かなライフスタイルの提案を行っています。特に徳島県は企業の誘致に力を入れており、2018年4月時点で59社がサテライトオフィスを開設しています。山間部の美波町の人気が高く、ワークライフバランスが充実した毎日をおくっているそうです。

モデル団体

北海道下川町 群馬県みなかみ町 千葉県南房総市
岐阜県高山市 静岡県南伊豆町 愛知県岡崎市
奈良県 鹿児島県伊仙町 青森県弘前市
秋田県大館市 千葉県銚子市 新潟県南魚沼市
福井県鯖江市 京都府京丹後市 島根県松江市
山口県 徳島県
(美馬市、三好市、つるぎ町、東みよし町)
鹿児島県錦江町

 

サテライトオフィスのメリットとは?

では、サテライトオフィス開設にはどのようなメリットがあるのでしょうか?改めて、具体的に見ていきたいと思います。

「都市型」・「郊外型」サテライトオフィスのメリット

まずは「都市型」「郊外型」では、下記のようなメリットを期待できます。用途別に「職住環境型」と「顧客近接型」、「シェア型」に細分化することができ、さらに今後は、育児に特化したオフィスなどさらに用途別に多様化していくことが予想されますが、ワークライフバランスの実現を促進するものが多くなっています。

■通勤時間の削減・時間の効率化
職住近接を目的とした場合、もしくは顧客近接を目的した場合は、通勤時間や移動時間を大幅に削減することができます。

■コストの削減
支店や支社を設立するより遥かに安い予算で、開設することができます。また通勤・移動時間の削減と同時に交通費の削減も可能です。結果的に残業代の削減にもつながるでしょう。

■生産性の向上・ワークライフバランスの実現
通勤・移動時間を削減した分を業務に充てることができるので、自然と長時間労働が減少します。また空いた時間をプライベートに活用できますので、理想のワークライフバランスを実現することができ、従業員満足度の向上にも直結します。

■育児・介護の両立の実現
職住近接型のサテライトオフィスですと、育児や介護に割ける時間が増えます。それにより多様な働き方の実現が可能となります。テレワークの制度もあれば、オフィスでしかできない業務がある場合は出社するなど、よりフレキシブルな働き方ができるでしょう。

■「シェア型」では新しいコミュニティが生まれる
「シェア型」では、他業種から同業種まで様々な人と接する機会が増えます。それゆえ、新たなビジネスチャンスが生まれたり、情報共有の場としても機能します。また施設によっては、ビジネス向けのイベントやセミナーも開催しているので、インプットの場としては非常に有効です。

「地方型」サテライトオフィスのメリット

では、本拠から離れた場所に、サテライトオフィスを開設した場合は、どのようなメリットが考えられるでしょうか。「都市型」「郊外型」とはまったく異なるメリットが生じます。

■災害時のリスクの分散
東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)が重要視されるようになり、二地域就業が実現することで、事業機能のバックアップとなり、リスクを二分化することができます。

■最適な子育て環境の実現
地方型の大きな特徴として、誘致している地方自治体が過疎化や空き家の問題に直面しているという現実があります。先述の徳島県では、山間部にオフィスを配置するの例が多く、自然に囲まれた環境で子どもと休日を過ごすことができます。

■地方創生に貢献できる
日本は都市部に人口が集中し、限界集落や高齢化に直面している地方へ社会貢献がすることができます。

■多様な人材の確保と新規顧客の開拓
その地域に根ざすことで、その土地での人材確保や新規顧客へのアプローチも容易になります。

■自由な発想とストレスからの解放
人が多く行き交う都会と比較すると、自然に囲まれた環境で仕事をするとストレスから開放されやすいと言われています。また気分転換もしやすい環境ですと、自由な発想も生まれやすくなるでしょう。

サテライトオフィスの課題やデメリット

次にサテライトオフィスの課題やデメリットを紹介します。もっとも大きな問題は、コミュニケーションや情報共有、セキュリティです。インフラが整備されたことで、どこでもオフィスと同様に働けるからこそ生まれてきたリモートワークやサテライトオフィスですが、もっとも懸念されるのもまたこの問題になります。

特にシェア型のサテライトオフィスですと、セキュリティの問題は常につきまといます。セキュリティに十分注意しているとは言え、通信環境は利用施設の設備に準拠する必要がありますし、不特定多数の方が出入りするので、情報漏洩には十分に注意する必要があります。

◎交流無線LANは安全なのか?最新「リモートアクセス」事情

◎テレワークの前にセキュリティで押さえるべきポイントを学ぶ

コミュニケーションの問題は、ビジネスチャットやWeb会議、クラウドストレージでタイムレスな情報共有が可能になりますので、社内カルチャーでITツールの利用が醸成されていると、コミュニケーションには大きな問題は生じないでしょう。

◎電話会議とテレビ会議、Web会議の違いとは?

◎コミュニケーションツールの活用で社内を活性化する方法

まとめ

働き方改革が進む中で、“働く場”もどんどんと多様化しています。サテライトオフィスの考え方は、一元化できるものではなく、業種や従業員の住環境や企業カルチャーなど考えるべきポイントはいくつも存在します。

またテレワーク、モバイルワーク、コワーキングスペースの利用など、近しい制度も存在します。またオフィスにこだわらない考え方が浸透する一方で、フリーアドレスオフィスなど“オフィスをもっとも生産性の高い”ワーキングプレイスにする動きも加速化しています。

生産性が高くなるのか?多様性を促進できるのか?従業員満足度が向上できるのか?という基本に立ち返って、検討する必要があるでしょう。

 

働き方を推進するこちらの記事もチェック!

◎モバイルワーク導入のメリットは?営業職で見る業務効率化の例
◎未来の“ワークプレイス=働く場”はどうなる?
◎DMM.make AKIBAが3周年!モノづくりのシェアワーキングプレイスを見学
◎注目のフリーアドレスオフィス。いまさら聞けないそのメリットと導入に必要なモノとは?

<参考>
・毎日新聞
・おためしサテライトオフィス
・RICOH「なぜ徳島県にサテライトオフィス阿賀集まるのか?」
・Tokushima Working styles

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