生産性

テレワークはペーパーレスから! 電子署名・契約の効果や手順とは?

テレワークはペーパーレスから! 電子署名・契約の効果や手順とは?

近年、ICTの発展に伴い導入され始めたテレワーク。2020年の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴って、テレワークを実施する企業はますます増加しています。

テレワークの実施にあたり欠かせないのがペーパーレス化です。紙の書類でのやり取りが必須の状況では、テレワークは推進できません。実際、判子文化がある企業では、押印や署名のためだけに出社するという非効率な状況もおきています。

今回はペーパーレスのメリットやペーパーレス化で重要な電子署名・契約について解説します。

ワークプレイスの変化と対策

テレワークで浮き彫りになった「紙」の問題

テレワークはペーパーレスから! 電子署名・契約の効果や手順とは?_01

テレワークとは「テレ(離れた所)」と「ワーク(働く)」を合わせた造語で、ICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。打ち合わせや書類のやり取りなどは、ネットワークを活用することで、自宅やサテライトオフィスといった会社以外での勤務を可能にします。

通勤時間の削減や育児・介護をしながらの勤務が可能といったメリットがあります。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が推奨されたことにより、テレワークの導入が一気に広がりました。

しかし、ペーパーレス化が進んでいない企業ではテレワークの導入にいくつかの課題があります。ここからはペーパーレス化が進まないと、テレワークにどのような課題が出てくるかを解説します。

業務に必要な資料が会社でしか閲覧できない

業務に必要な資料を紙文書で保管していると、資料の閲覧するために紙文書が保管されている場所まで行かなければなりません。多くの会社では、資料は会社に保管しているため、テレワークを導入していても、出社しなければ仕事が進まないのです。

押印文化によるバックオフィスへの問題

書類への押印が必要な企業では、紙文書のやり取り・保管に伴い押印作業が発生します。紙文書は実物がないと書類のやり取り・保管・押印ができないため、ネットワーク上では作業が完結しません。

書類のやり取りには「郵送」「対面」と二つの方法が考えられますが、郵送は時間がかかります。特に複数の人の押印が必要な書類を郵送するには膨大な時間がかかるため、関係者含め会社での対面作業となるでしょう。書類の保管作業も、「保管場所」つまり会社に行く必要があります。

このように会社以外でできない作業があると、たとえテレワークを導入しても部署によっては非効率な制度になってしまうのです。

ペーパーレス化のメリットを再確認

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では、テレワークに伴いペーパーレス化を進めると、企業・従業員にどのようなメリットがあるのでしょうか。

業務の効率化

ペーパーレス化によって「資料の閲覧」「書類への押印」どちらの業務も効率化が可能です。

資料はデータ化することで、場所を問わずアクセスや検索ができるようになります。また、資料の共有もネットワーク上でできるため、会議などで印刷する必要もありません。

書類への押印や署名もネットワーク上で完結できれば、書類の印刷や郵送などの作業は発生しませんし、タイムラグも少なくなります。クラウド上に保管すれば、場所を問わず保管している書類を探せ、書類の種類ごとに効率よく保管・分類できるでしょう。

コスト削減

ペーパーレス化によって、紙代と印刷費を節約できます。例えば、1枚5円で1000人の社員が1日10枚印刷したとすると、月に150万円の印刷費がかかります。ペーパーレス化によってこのコストを削減できるのです。

紙の書類には保管する場所も必要です。保管書類を減らすことで、オフィスを無駄なく利用できます。また、保管に部屋や倉庫を借りている会社では、費用の節約にもつながります。

柔軟な働き方の実現

クラウド上で資料の閲覧や書類の押印などの作業が完結するのであれば、出社の必要性はますます少なくなります。出社が不要になれば働く場所や時間への制約は少なくなり、柔軟な働き方を実現できるでしょう。ペーパーレス化はテレワークの導入に欠かせないといえます。

災害時のBCP対策として

地震や火災などの災害で、書類を保管している場所が被害を受けると、書類が損失してしまいます。会社にとって重要な書類が全て災害でなくなるというリスクを背負っているのです。

クラウド上に保管すれば、仮に会社が被害を受けてもデータは残るため、災害時の対策としても有効です。

緊急時に事業を守る「BCP」の策定手順と「3-2-1ルール」

注目の電子署名・契約とは

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ペーパーレス化を進めるにあたり、今注目されているのが、契約書や申請書など押印・署名が求められる書類の手続きをネットワーク上で完結できる電子署名・契約です。法的証明力も持っているため、社外向けの書類にも利用できます。

ここからは電子署名・契約とはどのようなサービスなのかを詳しく解説していきます。

電子署名

電子署名とはネットワーク上で署名を付与することで、通常の署名と同じ効力を持ちます。電子署名によって、紙の書類同様の正式な書類であり改竄がないことを証明します。

電子署名では、署名の他に身分証明書となる電子証明書の発行が必要です。署名をした文書は暗号化して送付することで、セキュリティを保ちます。

電子署名によってスムーズな署名が可能になり、署名した書類をクラウド上で保管できることから保管場所の削減や印刷費などのコスト削減にもつながります。

電子契約

電子契約とは、ネットワーク上で行う契約です。電子署名を利用することで、法的にも効力のある契約を結ぶことができます。

電子契約には多くのメリットがあります。まず、ネットワーク上で完結することで郵送の手間を削減でき、郵送費の節約も可能です。また、電子契約では収入印紙が不要なため、印紙代もかかりません。

書類作成や管理が簡単になることもメリットの一つです。紙の契約書では見積書や契約書を毎回作成し、別々に保管しなければなりません。クラウド上であれば見積書の設定を引き継いでの契約書作成や書類の一括管理が可能です。書類の修正をスピーディーに行えることもメリットといえます。

ペーパーレス化のポイントと必要なもの

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ペーパーレス化を社内で推進するには、いくつかのポイントを押さえなければなりません。準備が不十分な状態で導入すると、社内の混乱や非効率な作業の発生を招いてしまう危険性があるからです。

ここからはペーパーレス化を進めるためのポイントを解説します。

ペーパーレス化の対象を決める

ペーパーレス化とはいっても、全ての紙文書をなくすわけではありません。紙文書にも検索のしやすさや読みやすさなどのメリットがあるので、文書ごとに紙として残すかどうか決めましょう。

また、定期借地契約書など書面による契約が義務付けられている契約書は、電子契約を使用できないので注意してください。

経営層の誘因と従業員への周知

ペーパーレス化は会社全体で取り組まなければ意味がありません。そのためには経営層へのコミットを引き出し、全社に周知する必要があります。

まずは経営層のメンバーにメリットを理解してもらい、活用してもらうといいでしょう。導入初期はITリテラシーの差によって活用できるまで時間がかかる従業員もいるかもしれませんが、教育の体制を整えながら従業員全体に広めてください。

クラウドサービスの活用

電子署名・契約のシステムや、書類を保管するサーバーを自社で開発するとなると膨大なコストがかかります。ペーパーレス化を進めるには、クラウドサービスの活用が効率的です。

多くのクラウドサービスは日進月歩でセキュリティ性の向上、脆弱性の対策を行なっています。サイバー攻撃などの対策を事前に行い、企業のセキュリティポリシーに沿った導入方法を検討してください。

デバイスの整備

現在はPCでの業務に限らず、タブレットやスマートフォンなどの活用も普及し始めています。会社以外でも活用できるデバイスの整備はペーパーレス化・テレワークの導入に必須です。

コストを抑え機能に制限を持たせたシンクライアントPCや、従業員の私用デバイスを業務で活用するBYODを採用する企業も増えています。

また、どのデバイスからもアクセスできるシステムを利用することも重要です。各システムとの互換性も視野に入れながら、ペーパーレス化によって業務の非効率化やストレスが溜まる環境にならないよう準備しましょう。

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まとめ

今回はペーパーレス化のメリットや電子署名・契約について解説してきました。

新型コロナウイルスを機に、企業の働き方は変化しています。テレワークが前提の企業も増えることでしょう。そうした働き方の変化に伴い、ペーパーレス化は業務効率化に欠かせない要因となり、クラウドサービスやシステム、デバイス、通信環境の整備やセキュリティ対策も必要になります。少しずつでもペーパーレス化を進め、業務の効率化を目指していきましょう。

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ワークプレイスの変化と対策

テレワークの普及によって「働く場所=オフィス」というワークプレイスに対する固定概念が変化し、働く場所の多様化は進んでいる。一方で、働く場所が自由になることで生じる、PC環境、セキュリティー、社内制度の問題。
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  • テレワーク実施者の約90%が自宅での業務を経験
  • 一般企業の社員もサードプレイスを利用する時代に
  • 働く場所の多様化に伴って、オフィスの役割が変化
  • ニューノーマル時代のPC選定・運用チェックシート付き

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本書では新しい働き方が抱えるこれらの問題を、「自宅」「サードプレイス」「オフィス」という3 つのワークプレイスを軸に考察。問題点を洗い出し、制度・設備導入担当者が打つべき、次の一手を掲載している。

主な内容

  • テレワーク実施者の約90%が自宅での業務を経験
  • 一般企業の社員もサードプレイスを利用する時代に
  • 働く場所の多様化に伴って、オフィスの役割が変化
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