働き方

ノー残業デーや有給取得促進の効果を高めるポイント!アンケートから見えてきた従業員の本音

執筆者:田尻 亨太

昨今働き方改革を推進する企業が増えています。

リモートワークやフリーアドレス、フレックス制度、副業などそれぞれの企業の体質やカルチャーにフィットした制度を取り入れている例が目立ちますが、その一方で、「働き方改革」の本質を理解せずに制度だけが先走り、社員の理解を得られていない例も存在するようです。

例えば、「仕事量は減っていないのに残業するな」と言われても、仕事の進め方や生産性向上が見込めるITツールの導入などがない限り、意味のない働き方改革と言えるでしょう。

また様々な制度にメスを入れて、生産性の向上を性急に狙っても、その施策が企業体質に合っていなければ効果は望めません。

そこで今回、Work x ITでは独自のアンケート調査と厚生労働省の調査結果によって、「これは意味があるのだろうか」と従業員が疑問に感じる“働き方改革”の施策と改善策の具体例について調査しました。

事例1:ノー残業デーや定時一斉退社

働き方改革のアンケート結果
※引用:厚生労働省時間外労働削減の好事例集 | 平成23年調査

厚生労働省が発表した時間外労働削減のための取り組みに関するアンケート結果によると、60.3%の企業が「ノー残業デー」「ノー残業ウィーク」を導入していることがわかります。このデータが示す通り、「ノー残業デー」や「定時一斉退社」「●曜日は定時退社」を推進する企業が増えています。

こうしたルールは、社員のタスク管理に対する意識の向上やワークライフバランスの推進には一定の効果がありますが、下記のような意見もいただいています。

部署によっては統一ルールがネックになる

「従業員それぞれが異なる業務を担当している中、週に一度の曜日固定一斉退社の実施はナンセンス。私は研究開発チームに所属しており、開発製品の他社との競合コンペ間近には、緊急の打ち合わせなどが多くなり、想定外の業務が増えることがあります。しかし、コンペはそんなに頻繁にあるものではないので、コンペ間近以外は、定時退社が可能です。繁忙期と閑散期の業務量に差が生じています。このような勤務体系の社員が非常に多い中、定時一斉退社を促されると、繁忙期の業務の進捗が滞ってしまいます」
<回答者プロフィール>
男性/33歳/北海道/自動車関連/開発本部/技術職

業務量が減っていないのに「残業するな」はおかしい!

「業務量は減っていないのに早く帰れというのは、とても無理な話です。そのうえ、定時に帰ったら帰ったで、『なぜ仕事が終わっていないのに帰れるのか」とプレッシャーをかけられます。また、上司が残っていると帰りづらいので、モチベーションが上がりません」
<回答者プロフィール>
男性/32歳/神奈川/自動車関連/設計部/開発設計

 
 
「よくある話ですが、業務量も変わっていない中、いきなり『定時退社日だから帰りましょう」と言われても困ります。無駄な残業カットは、ただ忙しくなるだけの施策です。現状の仕事量が変わらず、効率も上がっていない状況でこうした定時帰りを推進しても逆効果だと思います」
<回答者プロフィール>
男性/34歳/岡山/造船/艦船部/足場

 
製造業は工場を抱えているだけに勤務時間もきちんと管理できている方だと言われています。しかし、日本経済の流れでどうしても勤務管理をさらに厳密・適性に管理する必要があることもわかります。加えて、大企業が率先して働き方改革を推進しなければいけないことも理解できます。その一環で私の会社でも20時完全退社という制度が導入されました。

しかし、あまりにも実態を伴わないとことは否めません。どうしても20時完全退社ということになれば、働き方改革が伴わない中では、パソコンの持ち帰りが当たり前です。

効果的なノー残業デーの在り方とは?

定時一斉退社、ノー残業デーの狙いは、経営陣からすると会社の設備費削減、残業代削減が大きな意味を持ちます。従業員が一斉退社することで、建物の利用が無くなるので、光熱費を削減できるからです。

また従業員からすると、「●曜日は定時退社」が徹底されることで、タスク管理に対する意識が向上し、プライベートの時間が増えることが期待できます。ワークライフバランスを整えることで、より生産性を向上していくことがノー残業デーの本来の目的と言えるでしょう。

●ワークライフバランスをより深く知るためにはこちら
ワークライフバランスの専門家が解説する、企業が働き方改革に取り組むときの秘伝の手法とは
女性活躍・ダイバーシティ経営が競争力を高める。元資生堂の山極清子氏が語る、本当の働き方改革について(前編)

上記のご意見は経営陣の思惑が強く出過ぎた結果と言えるかもしれません。ノー残業デー自体は悪い施策ではありません。しかし、本来の意味を取り違えてしまうと、別日の残業が大幅に増えるなど逆効果になってしまいます。

では、効果的な取り組みとするにはどうすれば良いのでしょうか?下記にポイントをまとめました。

ノー残業デーの効果を高める4つのポイント

●上司やリーダー陣が先導を切る
まず、上司が早く帰る姿勢を見せることが大事だと思います。そして、定時で帰っても業務的に問題がないことを上司やチームリーダーと認識合わせしておくこと。そうすれば、もっと働きやすくなると思います。

●周知・ルールを徹底する
採用したルールに対して、ただ「残業するな」と伝えるのではなくて、しっかりとその背景を説明する必要があるでしょう。本来は、従業員の生産性を向上することで、ワークライフバランスを整えることにあります。その背景を繰り返しアナウンスすることで、自然と社員一人ひとりが無駄なコストカットや効率アップの施策を考えるようになります。

●業務量・フローの見直し、改善を図る
毎日、遅くまで残業している企業が、突然ノー残業デーを掲げても、浸透するはずがありませんし、生産性は下がるに決まっています。

ノー残業デーを採用後、生産性をあげるには何が必要か?ITツールによって業務効率化を図れる場合もありますし、人材を採用する必要もあるかもしれません。業務量やフローの改善は必須ですし、場合によっては投資をすることで大幅な改善が見込める場合もあります。

●他の制度と組み合わせて、多様性を生む
多様な部署が混在し、部署ごとに繁忙期と閑散期が入り乱れる企業では、ノー残業デー自体が業態とフィットしていない可能性があります。定時一斉退社ではなく、「定時退勤日数を年間で何日」という設定を設けるなどの勤務時間をフレキシブルに決定できるようにした方が、業務効率もあがります。

またリモートワークやテレワークなどの制度を同時に取り入れることで、より高い生産性を実現できるかもしれません。

事例2:休日や有給取得の促進

有給取得の推奨などワークライフバランスの施策

政府は2020年までに有給休暇の取得率を70%にすることを目標に掲げています。ワークライフバランスを実現するために有効な施策ですが、以下のような意見も寄せられています。

ギリギリの人数で回しているので休めない

「有給取得を進めることはありがたいのですが、店舗スタッフが減るので少人数で業務を回さなければなければなりません。残された人の仕事量が大幅に増加するため、従業員全体にストレスが溜まってしまいます。特に、繁忙期は連休を取ってはならないという雰囲気が会社全体に蔓延しているので、現実は『取りたい時期に有給を取れない』『業務が少ない平日に無理やり有給を消化させられる』という状況です。」
<回答者プロフィール>
男性/25歳/大阪/小売業/店舗フロア部/店舗スタッフ

 
 
 
「毎月第一月曜日は休むよう会社から言われていますが、毎月頭に新しい案件が入ってくるため、いちいち休んでいられません。仕事量が多いので、1日放置するとその分自分にかえってくるからです。多くの社員は休日出勤して働いています。翌日に溜まった仕事をこなすよりも、休日出勤して、その日の仕事を終わらせた方が自分にとってプラスになるからです」
<回答者プロフィール>
女性/30歳/神奈川/物流会社/関東営業所/貿易事務

 
 
 
「私の会社では、年6回の有休消化を義務付けられています。サービス業なので、休日出勤も多いです。代休も取れないのに『有休消化しろ』と言われても『この状況でどうやって有給を取ればいいんだ』と思ってしまいます。今年からは年6回の有給消化が義務化され、部下が有休消化できていないと上司の評価が下がるそうです。自分が休みたくもない日に無理やり半休を2回も取らされたこともありました。もうすぐ決算ですが、目標の有給消化日数に全く達していません。休んでないのに有休消化したことにされている同僚もいます」
<回答者プロフィール>
女性/26歳/東京/飲食/店舗スタッフ

働き方改革に正解はない

一見合理的で従業員にとってメリットがありそうな施策でも、違和感を感じる方はいるようです。働き方改革に正解はありません。

一人ひとりの生き方や志向性が多様化する今だからこそ、自社の状況や社員の声に寄り添った柔軟性のある働き方改革が求められているのかもしれません。

昨今はRPAなど職場の生産性を向上させる様々なテクノロジーが登場し、労働人口縮小に向けた対策も講じられています。

●RPAをより深く知るためにはこちら
RPAは働き方改革の切り札となるのか———いまさら聞けないRPAと、その実力について。
生産性を圧倒的に高める方法とは?働き方改革コンサルタント古川大輔氏に聞いた

本質的な働き方改革を推進したい方はぜひ今回ご紹介したポイントをご参考ください。

※アンケートの実施時期2018年2月、オンラインによる無作為抽出

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