生産性

RPAによる業務効率化とは? 導入メリットを事例とともに紹介

働き方改革関連法の成立以降、多くの企業がワークライフバランスなどを考慮した取り組みと並行して、実務レベルで企業の生産性を上げるRPA(Robotic Process Automation)にも注目が集まっています。

「2日間かかっていた事務処理が30分でできるように」――といった圧倒的な効果が喧伝されるRPAとは一体どのようなものなのでしょうか?基本的な機能から導入時のポイントまで、事例とともに紹介します。

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RPAとは?機能とメリットを紹介

RPAとは「Robotic Process Automation,ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、デスクワークなどこれまで人間が行ってきた定型的なパソコン操作をロボットに代行させ、業務の自動化や効率化を図る「概念」です。その実態は物理的なロボットではなく、コンピューターの中で作業する無形のソフトウェアであり、「RPAツール」と呼ばれています。
例えば、顧客からの注文票が添付されたメールを受信すると、その添付ファイルの内容を元に販売管理システムに受注内容を入力、納期を顧客にメールで伝える……といった複数システムをまたがる一連の処理を自動で行ってくれます。

●RPAの主な機能

それではRPAが得意とする、具体的な適用業務を見ていきましょう。

このように利便性の高いRPAは、定型的な事務業務の多い金融業界が先行して導入してきました。現在はその経営効果に多くの企業が注目しており、業界・業種を問わない活用が見られます。

●RPA導入のメリット

RPAの導入は定型的な業務を自動化し、生産性の向上につながります。企業にとってのメリットとして、最終的には「売上拡大」が見込めますが、まずは「コスト削減」からはじめ、徐々に活用の幅を広げることで企業発展を目指しましょう。

コスト削減:これまで多くの人件費をかけ行ってきた定型的な業務(時間がかかり面倒な業務)も、たった1台のRPA導入により、24時間休むことなく働き続けます。維持費こそかかるものの、人材育成・研修費を考えると大幅なコスト削減となります。

リスク防止マネジメント:常に安定した成果を出すことができるRPAは、ヒューマンエラー等を未然に防止することができます。また、問い合わせに対する正確なレスポンスによるクレームの防止、情報漏洩などのリスクを未然に防止できます。

生産性の向上:コスト削減も、リスク防止も生産性の向上につながっていると言えるでしょう。これまで多くの人を割いていた定型的な業務に空きができれば、その他の生産性向上に向けた業務に集中できます。

売上拡大:RPA導入により、売上拡大に直結する業務にヒューマンリソースを当てることができます。ロボットにはできない創造性が求められる価値の創出など、新しい経営戦略の構築が可能になるでしょう。

RPAが求められる社会的背景


2017年にガートナー ジャパン株式会社が実施したweb調査によると、国内では14.1%の企業がRPAを導入しており、6.3%が導入中、11.6%が導入を検討中という結果でした。また、調査会社ITRによるRPA市場に関する調査によれば、RPA市場は2016年から2021年にかけて年間59.8%で成長し、2021年にはその規模が10倍に達すると予測しています。

このように現在は成長途中のRPAですが、今後求められる理由としては、下記の社会的な背景や構造の変化が影響しています。

●労働力人口の減少

現在多くの企業が直面している「人手不足」。厚生労働省によると、2017年の労働力人口は6,556万人で、ピーク時の2000年と比較すると210万人も減少しています。少子高齢化による人口減少が進むことで、それに伴った労働力人口の問題は今後さらに深刻化していくことは確実です。

●ITインフラによる環境の変化

近年のIT技術革新による、これまでアナログで存在していた紙などのデータや資料がデジタル化したことで、RPA活用の機会は広がったと言えます。「働き方改革」による多様な働き方の実現のためにも、企業によるITインフラへの注目は高まり、RPA導入を検討する企業も増えることでしょう。

次にRPAの企業の導入事例について紹介します。

企業のRPA導入事例

●データ収集への時間を大幅削減(食品メーカー)

大手食品メーカーでは、POSデータの集計処理に膨大なリソースを割いており、業務効率化が課題となっていました。業務量は多かったものの、作業内容はルールと手順が明確であったため、RPAを導入。大幅な業務効率化を実現に成功しました。

●単純作業からの開放(金融機関)

銀行などの金融機関は、アナログな手作業が多く残っているため、RPA導入事例が多く存在します。多くの顧客を抱えるメガバンクも例に漏れず、数万〜数十万時間単位の作業時間を削減したことで大きな話題にもなりました。ホワイトカラーやバックオフィスの単純作業を効率化したことで、ワークライフバランスの確保もしやすくなり、長時間労働の是正にも直結しています。

●業務負担軽減・時間外労働の削減(地方自治体)

地方自治体などの行政機関も定型的な事務処理が多いため、非常にRPA導入の効果は非常に高いと言えます。ペーパーレスと属人化された業務の標準化と作業時間の削減を同時に解消した自治体もあり、働き方改革を急速に進めることに成功しています。

代表的なRPAツールの紹介

現在、様々なRPAツール製品がリリースされています。各ツールの特徴を理解するためにも、ここでは代表的な3つのツールを比較しながらご紹介します。また、RPAツールは大きく分けて「サーバー型」と「デスクトップ型」の2つに分類されます。自社の目的に合ったものを検討してみてください。

RPAツールの分類

  サーバー型 デスクトップ型
インストール先 中央サーバー 各PC内
管理方法 ITベンダーによる一括管理 担当者による管理
使用可能ロボット数 PC1台に100体以上可能 PC1台に1体のみ
導入規模 企業全体への大規模導入 部署・個人レベルの小規模導入
コスト 高額 サーバー型よりも安価

サーバー型はサーバ内で業務を横断して働くため、大量のデータを一元管理できます。デスクトップ型に比べ費用こそ高くなるものの、今後企業全体でRPAツールの導入を考えているのであればおすすめです。一方デスクトップ型は個人のPCで働くため、サーバー型に比べ大量のデータ処理は難しいですが、複雑になりがちなツール管理も担当者レベルで簡潔に行えます。業務自動化への第一歩としての導入が考えられます。

最近ではサーバー型とデスクトップ型のどちらかを選択して導入できるRPAツールも増えてきているようです。長期的な活用や使用目的を考慮した上で選択しましょう。

RPAツール比較

ツール名 特徴
WinActor ・純国産の完全日本語対応で、プログラミングせずに自動化が可能。操作性に優れていると言えます
・全国の代理店が導入と運用をサポート
・Office製品(Excel・Ward・Outlook等)、ERP、OCRまであらゆるアプリケーションの操作が可能。
WinActor ・ウェブサーバー1台で複数のロボット作成、運用が可能
・「Bizrobo! DX Cloud」など初期投資を抑えた製品の提供
UiPath ・無料マニュアルやトレーニングプログラムを日本語で提供
・数台のスモールスタートから、その後管理ツールを加えることで数百台規模の一括管理が可能。利用拡大が容易
・レコーディングによるノンプログラミンングでの自動化が可能

この他にも様々なRPAツールが存在します。操作性や機能が異なるだけでなく、中には専門的な知識を必要とするものもあります。自社に合ったものを導入のためにも、より多くのツールを比較し検討しましょう。以下、簡単な選定基準についてまとめました。

1.導入規模

大規模での導入ならサーバー型、小規模ならデスクトップ型など、どのくらいの規模でRPAを導入するかによって使用するツールは変わってきます。まずは無料で使用できるツールを導入し、試験運用してみてもいいでしょう。

2.管理台数

導入規模に比例して言えますが、ロボットの管理台数によってもツールを絞ることができます。中には1台から始め、その後複数のロボットにまで展開できる製品もあるため、用途に応じた台数・ツールの選定が必要です。

3.コスト

導入の型によってその金額は大きく変わります。コンサルティング費用やランニングコストを含めた、トータルコストが費用対効果につながるのかを検討しましょう。

3つに分けられるRPAの業務効率化・自動化

RPAの性能は、自動化の作業に応じて3段階に区分されています。その段階は「Class(クラス)」と呼ばれ、高クラスになるほど高度で複雑な作業ができます。ここまでRPAの特徴を事例やツールと共に紹介してきましたが、実はその多くがClass1のレベルで定型業務に対応しています。AIを搭載することで非定型業務の自動化など、さらなる活躍が見込めるRPAのClassを理解しましょう。

一見RPAとAIを混同してしまいがちですが、両者には大きな違いがあります。

RPAは「人間の作ったルールに従う」のに対し、AIは「自らがルールを作り判断」します。
つまりClass2とClass3は、RPAのみでは限られていた領域をAIが補完しているというイメージです。

現在はClass1のRPAが主流となっていますが、Class2も一部の企業では既に導入・活用されているようです。 技術の進歩によっては、人間が行なっていた業務の多くを「RPA×AI」によって代行可能になると予想されます。自社業務のどこまでをRPAに委ねるのか、企業は今後、今以上にRPA導入について検討しなくてはならないでしょう。

RPA導入のポイント

業務の効率化・生産性の向上が期待されるRPAですが、RPAツールを最大限に活用するためにはどのような手順で導入すればよいのでしょうか。ここではRPA導入のポイントを「準備・選定フェーズ」、「運用フェーズ」、「拡大フェーズ」に分けて説明します。

●準備・選定フェーズ

まずはRPAを導入する目的を決めましょう。その後、目的に沿った対象業務の洗い出し、そのために必要な機能を持ったツールの選定を行います。導入目的としては、具体的な数値まで落とし込むことで、スムーズな運用・効果検証につながるでしょう。

【目的例】
・〇〇の業務にかかっている時間を□□%短縮する
・定型業務を担当しているヒューマンリソースを〇〇達成のために活用したい
・業務遂行のための人材育成、研修費を〇〇%削減する

●運用フェーズ

ツールの選定が終わったら、実際の業務に近い条件下で試験運用によるシミュレーションをしましょう。その結果をもとに、より効果的なツールの選定や設定の変更など、導入前には分からなかったトラブル防止につなげます。
シミュレーションにより洗い出された課題への対策が講じられたら、本導入に移ります。しかし導入したから「終わり」ではなく、最初に定めた目的達成への「始まり」にすぎません。まずは小規模な運用から始め、業務効率化がなされているかを分析しながら随時修正していきます。

【運用時の重視点】
・定めた目的に対して設定通りに作動、処理されているか
・最新の作業内容を常に把握し、RPAの野良化を防ぐ
・業務の変化に即して修正する

●拡大フェーズ

運用によって得られたデータをもとに、さらなる自動化対象業務の拡大に向けた効果検証・見直しをします。現場の声を聞きながら従業員満足度を上げることも意識すると良いでしょう。

【見直しポイント例】
・RPA運用にかかっているコスト
・単一部署での運用の場合、社内全体での活用を検討する
・従業員の労働時間は短縮できているか

RPA導入で懸念されるポイント

どんなシステムにも言えることですが、RPAは万能薬ではありません。導入する際に注意が必要な点を紹介します。

●Class1段階では見直しが必要

導入時点では最適な形で自動処理が行われるようになっていたとしても、そのやり方が永遠にベストかどうかは分かりません。
例えば、「ゴールド・コーヒー・スタンド」というコーヒーチェーンを運営する会社で、インターネットで自社に関する口コミ情報を検索してレポートにまとめるという業務があったとします。このとき、担当者は「ゴールド・コーヒー・スタンド」と「ゴールド コーヒー」というふたつのキーワードで情報を検索していたとすると、これをRPAで自動化するのは簡単です。
ただ、人間がこの業務をやっていると、ある時に「最近うちの店を『金コー』と呼ぶユーザーがいるようだ。これからは『金コー』も検索ワードに加えよう」とか、「うちの業態に似た新しいチェーン店が進出してきたから、競合の口コミも集めよう」といったことを思いつき、レポートを充実させるということが自然に起こり得ます。しかしClass1レベルのRPAの場合、人間が設定を変えない限り、最初に覚えさせた処理をそのままやり続けるだけです。
RPAによるアウトプットの内容がいつの間にか陳腐化してしまい、それを受けとる人間の方もそのことに気づかないとしたら、ちょっと怖いですね。RPAで自動化した業務に改善の余地がないか、時々プロセスを見直すことが必要でしょう。

●特定業務のブラックボックス化

RPAに業務を移管した当初は、元々その業務の担当者がいるので問題ないのですが、時間が経って担当者の変更などが生じると、RPAが何をやっているのか分からない、やっていることは分かってもその背景が分からない、という状況になりかねません。これは業務を外注化した時に、社内にノウハウがなくなってしまう「空洞化」の現象と似ています。
そうなると、例えば社内のシステムのバージョンアップや入れ替えなどがあったときに、そのシステムを使っているRPAが正常に動作しなくなり、大混乱に陥る、といったリスクがあります。
前項目で必要性を指摘したプロセス全体を見直す視点を持ったり、RPAには判断できない例外の発生やRPAが動かなくなるようなトラブルに対応したりするためにも、自動化した業務内容をその背景も含めて社内でよく把握しておく必要があります。

RPA導入により人にしかできない仕事へシフト

今後、RPAの普及により定型的な業務がなくなった場合、どのような仕事が求められるようになるのでしょうか。それは人に対するケアやおもてなしなど、相手の感情にも配慮が必要なヒューマンタッチな仕事や新たなモノ・サービスを生み出すようなクリエイティブな仕事だと言われています。つまり、新しい経営戦略の構築など、売上拡大に直結するような業務へシフトする人材の確保ができると言えます。

RPAに仕事を奪われるといったマイナスなイメージを持つのではなく、企業にとってはいかに賢く取り入れるか、個人にとっては自分自身が変化する転機と捉えられるかがカギになるでしょう。

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