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従来、パソコンはオフィスの消耗品とみなされがちで、機能よりコストを重視して導入されるケースが大半でした。IDC Japanの調査(2016年)でも、中堅中小企業におけるビジネス用パソコン購入先選定の理由は、「価格が安い」が約60%と圧倒的な割合を示しています。しかし新製品開発が激化し、ビジネス向けパソコンの高機能・高性能化が進んだことで、「PCの買替えは、社員の業務効率改善や成果向上をもたらす」と
ビジネスで高性能のパソコンを使った方がいい理由
(1)現代社会の新ニーズに応える機能
働き方改革が叫ばれる中、企業は業績向上を求めるだけでなく、社員にとって働きやすい環境づくりを連動させて実現する必要に追われています。たとえば女性が出産・子育てを経ても職場復帰しやすい環境を実現するには、会社での勤務時間を減らして、在宅でも作業できる環境を整える必要があります。また、テレワークを推進するには、オフィス環境の変革、社内外のコミュニケーションのあり方の変容が求められます。
生産性を下げることなくこれらのニーズに対応するためには、オフィス以外で快適に仕事をこなせる工夫が必要です。そこで問われるのが、各人が携帯するパソコンの性能。小型化や軽量化、万全のセキュリティ対策、会議を効率化する機能など、これまでとりたてて注目されなかった機能にも神経を使う必要があります。言い換えれば、こういった要望に応えうる高機能・高性能品こそ、時代の最先端を行く企業には不可欠な存在となります。
たとえば、長時間のバッテリー駆動時間に加え、SIMフリー対応のLTEを内蔵することで、時と場所を選ばず作業したいときのネット接続を快適にした製品などは、働き方改革を背景とした流れとニーズから生まれた好例といえるでしょう。こういった優れた機能を有する製品が手元にあることこそ、各従業員のモチベーションアップと作業効率の向上につながり、投資に見合うだけのビジネス上のメリットを得ることが期待されます。
(2)裏打ちされた堅牢性と、破損トラブルの削減
普段はなかなか気づきませんが、パソコンが頑丈で壊れにくいことは大事な条件です。パソコンの故障は、社員が進めようとしていた仕事を中断させ、すべての作業予定を狂わせ、関係者や部署全体の足止めともなりかねないからです。
そのため、パソコンの堅牢性については、各メーカーとも知恵を絞っています。たとえば満員電車の圧力や不意の落下など、実際の利用シーンを想定したさまざまな品質試験動画を公開することで、タフさを紹介しているWebサイトもあります。
また、導入時には気づかなくても、高品質なビジネスPCは、年月を重ねるにつれ「低い故障率」として表れ、長い目で見ると修理コストの削減効果、いわゆるTCO削減を会社にもたらします。
(3)きめ細かなアシスタント機能
パソコンがなければ、もはや仕事にならないと言っても過言ではない現代。カフェや公園、飛行機や新幹線内でパソコンを開く姿は、ひと昔前には考えられない光景でしたが、今では常識化しています。
常に携帯するパソコンだからこそ、ビジネスパーソンとしては文字通り手足となる存在であってほしいものです。すばやく取り出すことができ、すぐに稼働すること、使用中もよくなじみストレスがかからないことは譲れない条件。そのためにも、肌身離さず持ち歩ける軽量性や携帯性に加え、キーボードの感触といった細かい点に至るまで、使い心地のよさが求められます。
たとえば11型のノートパソコンを比較した場合、製品サイズにこだわるあまりキーピッチやキーサイズが変則的だったり、キータッチが貧弱だったりするケースもあります。しかしこれらの基本的な条件に加え、「静寂性」や「打鍵感」なども、日々キーボードに向き合うからこそ譲歩したくない要素です。
これらの繊細な配慮がいきとどいたパソコンの導入は、言い換えるとすれば、優秀なアシスタントと巡り合えることにも匹敵します。
(4)拡張性向上により、煩わしいセッティングが不要に
訪問先にアダプターを持ち歩く必要がなく、さっと接続してスムーズにプレゼンテーションが行える。従来のパソコンでありがちな接続のもたつきを一度でも経験したことのあるビジネスパーソンならば皆、入力端子の多いパソコンに魅力を感じることでしょう。
拡張性はノートパソコンのかねてからの課題です。本体の薄さや軽さを実現しつつ、相反する重量増加の要素となるVGA端子(アナログRGB出力端子)やHDMI主力ポート、またUSB類など拡張ポートの実装をいかにバランスよく開発するか、メーカー各社も知恵を巡らせています。
こういった工夫により、ユーザーはセッティングの煩わしさから解放され、別途いくつものアダプター類を用意する手間や重量の増加も省略できます。接続のもたつきから肝心の機動力や営業力が低下する恐れもなくなり、本来の議案に没頭できる安心感やスマート感から、交渉の円滑化が導かれることも期待できます。
(5)セキュリティ対策によって、社員の萎縮効果を予防
働き方改革を進めるためのソリューションを導入することで、セキュリティ面のリスクが高まりかねないと懸念されています。たとえば、パソコンを社外の思わぬ場所へ置き忘れたことに端を発した情報漏えいが、経営を揺るがすような大問題に発展する可能性もあります。
このような危惧を払拭するように工夫を懲らした高性能パソコンを各社が開発されています。たとえばLTEによって常時ネットワークに繫がる製品の場合、リモートワイプ(遠隔地からネット回線を通じてデータを消去する機能)をはじめとするMDM(Mobile Device Management:モバイルデバイスを管理・運用するシステム)ツールを用いることで、万が一の紛失や盗難にも対応が可能。こうした機能があることで不安感を和らげます。また、単なるパスワード認証だけではなく、指紋認証などもあるとさらに安心です。
パソコン紛失などをうっかり犯すと、企業も含め、努力して築き上げてきた立場や地位を失うことになりかねません。テクノロジーで情報漏えい事故を防ぎ、企業と従業員を守ることが求められています。各社のポリシーに即したセキュリティ対策が十分に配慮されたPCを導入することで、組織全体の安全と安心が保証されやすくなるといえるでしょう。
高性能パソコン導入が生み出すものとは
(1)パソコンのスピードアップにより導かれる生産性向上
従業員の生産性を決める要素は様々ですが、その中でもパソコンのスピードは大きなウエイトを占めています。すなわちビジネスの多くをパソコンで作業する現在では、
- 起動時間
- ウェブサイトの表示スピード
- アプリケーションの動作
といったパソコンのパフォーマンスと業務効率は密接な関係があります。だからこそ最新機種を導入しアップグレードを行うことにより、業務効率が向上するのです。ただし、既存システムの動作は必須。各PCメーカーの導入支援サービスには、テスト機などの貸し出しサービスもあるため、お問い合わせをしてみると良いでしょう。
(2)高性能パソコン買替えにより導かれる柔軟な働き方
パソコンを薄型、軽量で優れた処理能力とパフォーマンスを兼ね備えた製品にアップグレードすることで、オフィスに縛られない自由な働き方が実現します。高性能パソコンを携えることで、外出先や自宅でも会社にいるときと同じ作業が可能となるため、移動時間や待ち時間といった無駄がなくなり、時短、生産性向上が期待されるという理論です。
具体的には、
- コミュニケーションやコラボレーションもセキュアに実行できる
- 顧客への対応がスピーディーになり、競争力を維持しながら業務効率が向上する
という点が挙げられます。
日本ではまだ在宅勤務の割合は低く、短時間勤務やテレワークも社会に根づいているとはいえません。これは、働き方改革といっても政府が主導で打ち出した感が強く、企業の従業員一人ひとりにとって快適な働き方は、「これからの仕事環境とは何か」が十分議論されていないためでもあります。
今やビジネスパーソンにとって相棒ともいうべき存在のパソコン。価格のみに左右されず、上記した企業全体の生産性向上への期待も込め、従業員の働き方を改革する可能性を秘めた高性能パソコンの導入を検討したいものです。
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(文章改修 2018年3月29日)