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【徹底比較】企業はデスクトップとノートパソコンどっちを導入すべき?

執筆者:中山 悠

【徹底比較】企業はデスクトップとノートパソコンどっちを導入すべき?

オフィス用パソコンといえば、デスクトップのイメージが強かったものの、低価格化や基本性能の底上げ、消費電力の低さへの注目などが影響し、ここ数年ノートパソコンが脚光を浴びています。電子情報技術産業協会JEITA統計によるとノートパソコンは、2016年度の国内出荷台数を見てもデスクトップを凌駕し、国内市場の概ね3/4を占める勢いです。もっとも次章で見るとおり、実際のオフィスへのアンケート調査では、デスクトップが根強く使われている実態も明らかになっています。

従来のデスクトップとノートパソコンの欠点を補う製品が日進月歩の勢いで開発され、モバイルパソコンの人気も沸騰。企業の担当者の迷いは尽きません。ここでは基本に立ち返ってデスクトップとノートパソコンを徹底比較し、企業の利用実態も交え解説します。

1.オフィスのPC利用状況と購入要望

IT情報総合サイトであるキーマンズネットが実施したアンケート「企業向けノートPC&モバイルPCの利用状況」によれば、2014年時点で導入しているパソコンタイプは、

「A4ノートパソコン」が80.2%、

「デスクトップ」が67.7%、

「B5ノートパソコン」が49.9%、

「タブレット」が24.8%、

「ワークステーション」が15.0%と続きました。

デスクトップが予想以上に健闘している印象を受けますが、今後の導入予定(リプレイス含む)を尋ねたところ「デスクトップ」は5.9%にとどまり、ノートパソコンへの移り変わり志向が浮き彫りになりました。ワークスタイルの変革など、場所や時間に囚われない働き方に合わせ、携帯性に優れたパソコンが好まれつつある結果を示しています。

なお、ノートPC&モバイルPC利用について不満との回答者からは、「重くて持ち運びに不便」といった意見が最多。他にも「処理能力、メモリサイズ、ハードディスク容量が十分でない」といったスペック上の問題に関する声や、「持ち歩くにはサイズが大きく、据置きで使うには画面が小さく中途半端」といった指摘が寄せられました。これらの要素では、デスクトップに後れをとっていることがわかります。

導入時のポイントは、「コスト」と「パフォーマンス」

IT専門調査会社であるIDC Japanが発表した「国内中堅中小企業IT企業におけるベンダー動向分析結果」によると、中堅中小企業における購入先選定の理由としては、「価格が安い」が約60%と、圧倒的な割合を示しています(2016年)。

また上記調査で、企業向けノートPC&モバイルPCの導入予定者に「導入する際に重視するポイント」について尋ねたところ、下記の結果が得られました。

重視ポイント(導入済み)

1位「パフォーマンス(CPU、操作性)」72.0%
2位「導入コスト」71.1%
3位「モバイル性(軽量、小型)」33.9%
4位「ブランド・導入実績」22.0%
5位「耐久性・堅牢性」19.3%

重視ポイント(導入予定)

1位「導入コスト」71.6%
2位「パフォーマンス(CPU、操作性)」70.3%
3位「モバイル性(軽量、小型)」33.4%
4位「耐久性・堅牢性」22.8%
5位「ブランド・導入実績」20.9%

導入済み、導入予定どちらにおいても、「コスト」「パフォーマンス」「モバイル性」の上位3項目に変化はなく、中でも、コストとパフォーマンスが共に7割超えと圧倒的に重視されています。

次章では、コストと性能に焦点を当てて、デスクトップとノートパソコンを比較します。

2.デスクトップとノートパソコンの徹底比較

コスト

(出典:ITメディアエンタープライズより)
(出典:ITメディアエンタープライズより)

IT調査会社であるBCNの調べによれば、デスクトップ・ノートパソコンとも、2012年を底値として低価格化は一段落ついたことがうかがわれます。特に2017年に入ってからの平均単価は上昇傾向にあります(2017年3月のデスクトップの平均単価は11.7万円、ノートパソコンは9.9万円)。これは、Windows Vistaのサポート終了(2017年4月11日)やWindows 10の企業導入が行われていること、Windows 10の大型アップデート(Anniversary UpdateとCreators Update)が済み安定化が進んでいることなどが、買い替え需要を刺激していることによると同社は分析しています。

特筆すべきはモバイルパソコンの人気沸騰ぶり。電子情報技術産業協会(JEITA)の統計によればモバイルパソコン(ここでは重さ2キロ未満、またはB5サイズ以下と定義)の平均単価は12万879円、対前年同月で8%高い数値となりました。また、法人向けでも高価格製品の人気が高まっています。重さが1キロ前後で、丈夫さやセキュリティー性能を備えた20万~30万円台のモデルが売れ筋。場所や時間にとらわれずに働く「テレワーク」の広がりが背景にあります。

性能

■メモリ

上記のとおり、ノートパソコンに対し、改善要望の多いのがメモリ。デスクトップではスロットの数だけメモリモジュールを搭載可能です。マザーボードのスロット数やモジュール1枚あたりの容量上限次第ですが、希望すれば好きなだけ後から増設できるといえます。

一方で、現在のノートパソコンのメモリは固定的。特にモバイルノートの場合、オンボードでメインメモリを実装、メモリスロットが省略されている場合が多くメモリ増設が不可能な製品も存在します。メモリ増設(あるいは交換)可能な製品については、メーカーの多くがサポートメニューを用意しています。また、最近ではBTO(Build To Order)で販売されるメーカーも多く、会社の使用状況に応じカスタマイズで注文ができるサービスも増えてきていますので、それらを利用すると良いでしょう。

■モニタ

デスクトップと異なり、一般的にノートパソコンの液晶モニタは本体と一体化しているため、解像度や液晶パネルの種類も製品により決まっています。外部ディスプレイを接続したりしない限り変更はできません。高解像度の製品は、かなり表示サイズを小さくしてもくっきりと表示され、画像も同様に細部まできれいに見えます。表示領域の広さであれば、解像度は 1920×1080 ピクセルもあれば良いと言えますが、文字の見やすさや画像の綺麗さを重視するなら、さらに高い解像度の液晶ディスプレイを搭載する機種を選ぶメリットは十分あります。

なお、デスクトップではそれほど普及していませんが、現在のノートパソコンはタッチパネルディスプレイのモニタが多く見られます。2-in-1ではタブレットスタイルで使用する際の必須機能ですが、クラムシェル型の通常のノートパソコンではタッチパネル付きとタッチパネルなしの製品に分かれ、同一製品でもモデルやカスタマイズでタッチパネルの有無を選べることもあります。

また、ノートパソコンの外部モニタ接続は、マルチ画面(複数の画面)を利用できますので、ビジネスの効率化にも大変有効です。さらに、社内やお客様先などで、プロジェクター等に接続することもできるため、外部モニタ接続用のインタフェースが何であるかを確認することは大変重要です。もしも、お客様先で、接続端子が合わないことだけで、資料などの映像出力ができないこととなれば、ビジネス上の機会損失ともなります。特に近年、ノートパソコンメーカーでは、「薄型」「軽量」を目指すため、外部モニタ接続用のインタフェースが簡略化される傾向にあります。ビジネスシーンに最適なインタフェースとしては、レガシーのVGA出力、近年テレビやモニタにも装備されることが多くなったHDMI出力を併せ持つ製品が、やはりお勧めです。

■キーボード

一般的にノートパソコンのキーボードは本体と一体化しており交換できません。そのため、キー配列やキーピッチ、サイズやストロークなどは製品を選ぶ際の重要な要素になります。

例えばデスクトップ用のキーボードでは、カーソルキーは凸形の配置で、通常のアルファベットキーと同サイズのものが旧来の標準です。しかし、ノートパソコンのキーボードでは、カーソルキーが小さく使いづらいと感じる場合もあります。

特にモバイルノートのようにサイズが限定される場合、アルファベット以外のキーが小さかったり、[Fn]キーを併用しないと入力できなかったりと製品ごとに対応は異なります。製品のコンパクトさと比例して打ちづらくなる傾向があるため、納得した上で機種選定したいものです。

■ネットワーク

薄型のモバイルノートやタブレットでは、通常は有線LANポート(RJ-45)を搭載する厚みやスペースがないため、有線LAN接続が必要な場合はUSB経由で接続することになりますが、なかには、薄型のモバイルノートにもかかわらず、機構などの工夫により、LANポートを標準で用意している製品もでてきています。また、最近のトレンドとしては携帯電話会社(MVNO含む)と契約し、入手したSIMをノートパソコンにセットするというものですが、LTEを内蔵した製品も登場。この場合、スマートフォンと全く同感覚、同じスピード感でインターネットに接続できるようになります。

設置スペース

ザイマックス総研の調査によれば、東京23区の1人あたりオフィス面積は3.80坪(2016年)と年々減少傾向にあります。オフィスに合わせPCについても設置スペースの小ささを重視するのであれば、本体と液晶ディスプレイ、キーボードが一体になっているノートパソコンがおすすめです。

モニタと本体がセパレートであってもサイズを抑えたコンパクト型や、モニタと本体が一つになった一体型デスクトップの製品も多いため、設置スペースを抑える理由だけでデスクトップを切り捨てる必要はありません。なお一体型は、配線がすっきりしてインテリア性が高いことから人気を集めていますが、拡張性が低く修理費が高くつくといった課題もあるため注意が必要です。

■消費電力

ある試算では、ノートパソコンの平均消費電力は、デスクトップの1/3以下とされます。ノートパソコンの活用によりオフィスの消費電力の削減が可能となり、CO2排出量の削減にも役立つことが期待されます。

消費電力

パソコン市場の今後の注目点として、官民を挙げての取り組みとなりつつある働き方改革が、市場押し上げ効果にどの程度つながるかが挙げられます。特に、モバイルなどを活用したリモートワークや在宅勤務等、多様な働き方を支える端末としての役割がパソコンに求められています。大企業を中心として、働き方改革への取り組みは盛り上がりを見せつつありますが、中小企業へも取り組みが波及すればさらに活況を呈することが期待されます。

JEITAによれば2016年度のPC出荷台数は前年度比2.1%増。Windows XP特需の反動が収まったことから法人市場も9.8%増と回復し、活気を呈しています。高い拡張性やデスクトップ級の高性能を兼備したノートパソコンのように、従来のデスクトップとノートパソコンのすみ分けを超えた新製品からも目が離せません。オフィスのニーズを的確に把握した上で、最適な製品を選択する手腕が担当者に求められています。

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