生産性

上司が今すぐ取り組むべき残業時間削減、仕事効率化7つの施策

執筆者:水口 和彦

現在、働き方改革の中で労働時間の削減を目指す組織が多く、そのための取り組みとして、「社員の意識改革」や「業務効率化」といった言葉はよく聞きます。しかし、これだけでは少し漠然としていますし、それぞれの現場や状況での具体的な施策が伴わなければ、なかなか効果は表れません。

そこで今回は、私が労働時間や仕事の効率化に関するご相談を受ける際に、よく耳にする課題をもとに、上司が最初に取り組みやすい“残業時間の削減”、“業務効率化”についての施策を大きく4つのポイントから効果の高い7つを紹介します。「こんなことが時間のムダになっているのか!」と思い当たることもあるはず。一つでも改善策を実施することで、身近なところから業務効率化を実現できるのではないでしょうか?

■個人の効率・パフォーマンスを見直そう

労働時間や仕事の効率に影響するポイントは、大きく分けて4つあります。1つめは、当たり前のことですが、各個人の仕事の進め方に起因するものです。
実際、仕事の進め方しだいで、効率は大きく変わります。たとえば、タイムマネジメントの手法を身につけ、実践することで労働時間を20~30パーセント削減できたという例もあります。時間管理の外部研修もありますので、タイムマネジメントの具体的な手法について研修を受けてもらうのもよいでしょう。
自身の仕事のやり方を少し変えるだけで、本来の仕事の効率を高められるケースがあります。

(1)毎日行うメールの処理、実はこんなムダが発生しているかも?

まず、おそらく最も即効性があるのがメールの扱い方を変えることです。たとえば、こんなことはないでしょうか? PCで作業をしているとき、画面に新着メールを受信したという表示が出る。「何のメールかな?」とすぐにメールソフトを確認する……。これは日常的によくある流れですが、仕事の効率は悪化します。なぜなら、集中して考えているときに中断してしまうと、再開してもすぐには元のペースに戻れないからです。
ソフトウェア開発者を対象にしたGeorgia Institute of Technologyの研究では、作業再開後に1分以内に元のペースに戻れたケースは1割しかなく、半数以上のケースで10分以上かかったことがわかっています。
仕事の効率を高めるためには、まずはメールソフトの受信通知機能をオフにするのがおすすめです。自分の仕事に集中し、自分の仕事の区切りがついたところで、今度はメールに集中する、という流れにするとムダがありません。ここでいう仕事の区切りとは、1つの作業が終わるか、あるいは作業が一段落したときを指します。これは30分~1時間程度のことが多いので、メールの返信はそれほど遅くなりません。
また、返信は後回しにせず、読んだその場で処理していく方が二度手間がなく効率的です。後で「返信してないメールがあったはず……」と思いながら受信トレイの中を探すのは時間のムダなのです。

毎日行うメールの処理、実はこんなムダが発生しているかも?

■チームとしての連携・コミュニケーションを見直そう

2つめのポイントはチームとしてうまく連携できているか、コミュニケーションが取れているか、上司からの指示の出し方はどうか、といったチームワークに関するものです。

(2)上司は忙しそうにしない

これもさまざまな施策がありますが、上司の立場にある人が気をつけるべき点を紹介しておきましょう。部下の立場の方たちから耳にする問題点として、「必要なときに上司がつかまらない」「上司が忙しそうで、話しかけるのをためらってしまう」という声が意外に多くあります。部下が相談できない状況を作ってしまうと、部下の仕事を停滞させることにつながります。ですから上司はいつ在席しているかを明確にしておく方がいいですし、忙しそうな態度をむやみに見せないことが必要です。

(3)上司が部下に「ホウレンソウ」?

もうひとつ、上司におすすめしたいのが「逆ホウレンソウ」です。逆ホウレンソウというのは、部下からのホウレンソウを待つのではなく上司側からタイミングよく確認していこうという考え方です。そのためには、部下に仕事を頼みっぱなしにするのではなく、確認する予定を決めておくと効果的です。たとえば、仕事を頼んだ直後に「□□の件を○○さんに確認する」という予定を、日付を決めて入れておきます。最初にこれを済ませておけば、後で確実に確認できますし、もし仕事が遅れていた場合にも指導しやすいです。
さらに上司、部下の関係の中で大きな問題として「上司がむやみに仕事を増やしすぎる」「上司が仕事の優先順位を判断できない(全部が最優先になる)」という声も上がっています。さまざまなことに取り組みたくなるのは分かりますが、やらないことを見極めることも必要です。仕事の効率を高めるためには「仕事を減らすのは上司の役割」という認識が必要です。

■仕事のやり方・ルール・システムを見直そう

3つめのポイントは、仕事のやり方やルール、業務に使用するシステムなどについてです。大局的に仕事のやり方について考えるなら、生産性が低い事業分野や取引先から撤退するなどの戦略的な判断が必要な場合もありますが、もっと小さいところにも改善できる点はいろいろあります。

仕事のやり方・ルール・システムを見直そう

(4)部下も含めて率直な問題提起の場を

まず前提として、仕事のやり方やルールに関する問題点は、管理職の立場にいると意外に気づかないものだと考えてください。ですから、「どこで時間を取られてしまうのか?」「やりにくいところや非効率なところがないか?」という観点で、部下に率直に意見を出してもらう場を作ることはとても有効で、業務効率化のヒントが得られることも多いです。ただし、せっかく意見を出してもらっても、上司がその意見を握りつぶしてしまうようでは、部下の改善の意欲もなくなります。やるのなら、ひとつふたつでも改善を必ずやり遂げる覚悟で取り組んでください。

(5)システムやITの力を借りて効率化を

システムの面では、モバイル端末を揃え、社外からアクセスできる環境を整えることで営業担当者が直帰や直行をしやすくなり、労働時間を短縮できたという例もあります。あるいは、社内Wi-Fi環境を整えることによって、フレキシブルに場所を変えて作業できるようになり、効率が上がったという話も聞いています。
集中したいときには、一人になれる場所で作業を行うことを許可し、そのための一人用のブースを設置している職場もあり、集中できて仕事の効率が上がると好評です。また、前回の記事でも少し触れましたが、Web会議などを活用できるようになると、出張に伴う時間を削減できる場合もあります。

■組織としての環境や雰囲気・風土を見直そう

最後は、組織としての環境や雰囲気、組織風土といったポイントです。

(6)つきあい残業は悪影響を与えるだけ

たとえば、「つきあい残業」と呼ばれる現象があります。「上司や周りの人が残業していると、自分だけ先に帰れない」という問題で、これは職場の人たちの習慣や雰囲気の影響が大きいです。たとえば、私が遭遇したケースでは、上司が「部下が残業していると帰りにくい」と思っていて、部下は逆に「上司が残業していると帰りにくい」と思っていたことがありました。こんな悪循環があれば、残業が長くなるのも当たり前です。
「つきあい残業」を改善するには、上司から言動を変えていくのが有効です。たとえば、時々でもいいので、部下より先に(できれば定時に)帰る姿を見せるのも、部下の意識を変える効果があります。つきあい残業はおたがいに悪影響を与える悪循環であり、その循環を最も断ち切りやすい立場にいるのは上司です。

(7)褒めどころを見極める

逆に、やってはいけないのは、残業した部下に対して「がんばったな」とほめることです。「次は残業しないで済むように」と指導するか、「大変だったね」とねぎらう程度にとどめておくべきです。
こうした組織の雰囲気は、組織のトップが労働時間削減についての方針をはっきりと打ち出すことで変わる場合もあります。特に40代から50代の管理職の意識を変えていくためには、トップがはっきりと伝えていくことが有効だと感じます。
また、組織としての習慣や雰囲気は、会議の場にも表れます。会議の開始時刻や終了時刻を守るなど、小さいことから徹底してみるのもいいでしょう。

今回は労働時間や仕事の効率に影響する4つのポイントから効果の高い施策を7つ紹介してきました。実際に残業時間削減や仕事効率化で効果を出すためには、社員一人ひとりの取り組みも重要ですが、上司だからできる改善施策もあります。「ここは改善の余地があるかも」と思い当たるところがあれば、一度にやるのは無理だとしても、取り組みやすいところから、ひとつずつでも改善に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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