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稟議書フォーマットのコツを伝授!経営コンサルタントが通過する稟議書の作り方を指南

執筆者:バシャラ セルダル

随分と過去の話になりますが、私が転職して1カ月目に、部署内で新しいノートPCを導入することになり、候補機種について意見を聞かれたときのことです。私は、前職で使っていたノートブックが使いやすかったので極めて主観的に「●●●ブランドのノートPCがいい」と答えました。その時、すかさず上司は、「なぜそのブランドがいいと思いますか?」と切り返してきましたが、当時の私はロジカルな選定理由を即答できず、とても悔しい思いをしました。入社間もないこともあり、上司の私に対するその時の印象は、あまり良く思っていなかったことでしょう。

たとえ「絶対にこれがいい」と心で決めている製品があったとしても、社内で論理的に説明しなければ、社内稟議は通過しません。そして、そこで発生する稟議書のフォーマットは、社内の理解を得るためにとても重要な文書です。この稟議書を書くことは、担当者にとっても、一番頭の痛い、そして困難と感じているところではないでしょうか。実は、この面倒とも感じる「社内稟議」の上手な活用こそ、私が当時直面した問題を防ぐ対策となります。本記事では、稟議で承認を得るフォーマットのコツについて説明したいと思います。

 

稟議書の重要性について

自社に導入を勧めたいPCやその他のハードウェア・ソフトウェア・システムがあるとき、上司や他の責任者にその導入理由をロジカルに説明し、承認をもらう必要があります。つまり、「好み」や「新しく入った会社での立場」「与える印象」など、個人的な感情に大きく左右されることなく、合理的な根拠を示し、コンセンサスを得た上で、投資に対する正しい決定を出すために必要となるのが、社内稟議やその資料となる稟議書です。

 

社内稟議でスムーズに承認を得る3つのコツ

例えば、PC導入を想定した場合、その社内稟議を承認させる方法は大きく分けて3つあります。

 

1.会社のビジネス戦略や事業計画の理解

PC購入は大切な資産を投資するため、企業は容易に決断を下せません。そのため、PCを購入する際には必ず、その決断がビジネス戦略や事業計画と一致しているか、想定しているビジネスニーズに対応しているかを、多くの経営者は気にしています。

先ほどの私の体験に戻りますと、会社のビジネスニーズさえ分かっていない私としては、お勧めのPCを聞かれたときに反射的に自分の好みで答えるのではなく、「ビジネスニーズと最近の機種を分析した上で、提案させていただいてもよろしいですか?」と回答したほうがよかったのかもしれません。

 

1.会社のビジネス戦略や事業計画の理解

 

2.インターナル承認プロセスの理解

PC購入の承認プロセスは大きく分けて2つのパターンがあります。一つめは、購入金額に応じたルールが存在しているプロセス。ERPシステムを導入しているほとんどの大手企業では、購入プロセスやルールが決まっています。まずそのルールを理解しましょう。たとえERPシステムにPC購入のルールがなくても、多くの場合、購入金額に該当する決裁責任者や購入プロセスが存在します。

たとえば、決裁権限ですが
「10万円までが課長」
「100万円までが部長」
「100万円〜1000万円未満はCFO」
「1000万円〜は社長」
など、金額ベースの決裁者が決まっているケースがほとんどです。

2つめは、他部所を巻き込んで承認を得るプロセス。PCを購入するのが、IT部門ではない場合、IT部門の担当者の意見や承認が必要になるでしょう。なぜなら、サーバーや他のシステム関連との互換性、ソフト、ヘルプデスク、ヘルプデスクという様々な観点でIT部門のサポートが必要となってくるためです。

逆に、PCを購入するのがIT部門である場合、PCを使うユーザーたちの意見、ビジネスニーズとマッチングという面で、営業部門等の責任者の承認が必要となってくるでしょう。

このように、様々な部署の大勢の人が意思決定に絡む場合、全てが迅速かつスムーズに進むとは限りません。例えば、稟議書を素早く役員に提出したいのに、ある部署で止まってしまうこともありえます。
そのようなことが起きたら、承認を直接促し、それでも対応が遅れている場合、上司たち同士の話し合いという方法で問題を解決できます。忘れてはいけないことが、稟議書通過プロセスの責任者は、あくまでも担当者本人であることです。他部署による遅れを言い訳にしてはいけません。

 

3.魅力的な稟議資料の作成

魅力的な資料を作るために、自分で稟議書を作成し、決裁者に提出するプロセスをイメージしてみましょう。具体的には、まず自分の意向を示した資料を作ります。作成した稟議書は紙に印刷し、上司の机に持っていくという従来型のやり方もあれば、電子文書管理システム等を導入している会社の場合、決裁プロセスがシステム上で完結する電子稟議システムのケースもあります。

稟議書を提出すると上司や他の責任者が決裁するにあたり疑問に感じたことや懸念点をコメントするでしょう。たとえば、「見積もりの金額が高いので交渉してほしい」といったコメントが書かれることもあります。それまで稟議書を作成したことのない人が稟議書を作成すると、言葉一つ一つが直されることもあります。

稟議書の承認が経営陣にも「無駄な仕事」のように思われるケースが多いです。あなたが作る資料が良ければ、経営陣は「わかりやすくて、助かる」と好印象を抱くでしょう。逆に、中途半端な資料を提出してしまうと、経営者に「面倒な人」という印象を与えてしまうリスクがあります。

では、どうすれば面倒な人ではなく、「できる人」という印象を与えられるのでしょうか?一番良い方法は、できる人の稟議書の書き方を真似ることです。稟議書がよく通る人が作った書類を徹底的に分析し、同じような書き方をすれば、あなたも評価される資料が作れます。そのうちに、あなたに対する信頼もあがり、もっと責任を与えられるようになるでしょう。

今後、働き方改革で無駄な時間が省略され、プレゼンテーションや議事録のような会議資料がそのまま稟議書になるケースも増えていくでしょう。そのような場合でも、同様に、できる人のプレゼンテーションや企画書を参考にしましょう。

 

PC導入の稟議書テンプレート

「身近に参考になる稟議書が作れる人がいない」、「会社にそのような資料が残されていない」そのような方のために、とてもシンプルなテンプレートをご紹介したいと思います。

下記3つの項目を記載するだけで、あなたも立派な稟議書を書けます。

  1. PCの購入理由

  2. 機種選定理由

  3. 購入、納品日の指定理由及びその日までに購入しなかった場合の発生する機会損失

上記の質問への簡潔な回答をあなたの会社の稟議書フォーマットに組み込めば、上司や経営陣が喜んで承認する資料ができあがります。

それぞれの質問への回答の例もみてみましょう。

 

1.PCの購入理由:まず、そのPCが新規調達なのか、既存機のリプレイスなのかを明記しましょう。

→現在使用中のPCでは、テレワークの推進や大量データ扱い時にフリーズしたり、シャットダウンしたりするケースが頻繁に生じます。その結果、作業を停止している時間は一人当たり一日30分と想定しています。500人が現在のPCを利用することによる損失は、一日当たり250時間に相当します。一カ月にすると膨大な時間を損失していることになります。また、テレワークを推進するにあたり、セキュリティやカメラ、モビリティなどの点でハードウェアとして機能が無い等、改善すべき点があります。

 

2.機種選定理由:なぜそのブランドのその機種が必要か明記しましょう

→5つの機種を比較した結果、当社ビジネスニーズに必要な機能を満たしたうえで、かつ適切な価格設定であったため。

 

3.購入、納品日の指定理由及びその日までに購入しなかった場合の発生する機会損失:なぜ「今」購入しないといけないか?今購入しなければどのような損が発生するのか明記しましょう。

→既存のPCのアップグレードも検討しましたが、アップグレードにかかる費用及びメンテナンス費用を考慮すると、今新しいPCを購入した方が今後の3年間のコストが少なくなるため。

では、上記のキーフレーズをあなたの会社の稟議書フォーマットにどのように組み込めば良いのでしょうか?具体的な金額やスペックなどのデータを利用した、シンプルより一般的な稟議書フォーマットでの記入例をご紹介しますので、参考にしていただければと思います。

 

 

まとめ

PC導入において「面倒」「無駄」のように思われがちな社内稟議プロセスですが、コツさえわかれば、シンプルに稟議を通し、社内評判の向上に繋げることができます。上記でご紹介したコツの他にも、稟議書を書いた直後にキーマンと30秒ほど雑談をしたり、決裁者の好みを把握したりするなど、健全な根回しも大切です。会社のビジネスニーズを理解し、社内承認プロセスに則って魅力的な稟議資料を作成する。こうしたポイントを意識しながら、ぜひ社内で存在感を発揮してください。

 

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