2017年10月11日(水)〜10月13日(金)、東京ビッグサイトでスマートワーク実現のためのIT活用に関する専門イベント「働き方改革2017」が開催されました。同イベントには、3日間で経営者・人事・総務・現場部門のビジネスリーダーなど、6万人以上が来場。働き方改革を推進するIT製品やサービスを多くの企業が紹介しました。そんなビッグイベントにVAIO株式会社も出展。『新VAIOで実現する「VAIO流」働き方改革』というテーマで、新製品の紹介などを行いました。早速当日の様子をレポートします。
ロケーションフリー:必要な機能を維持した上での、薄さと軽さ。LTE内蔵で通信性能も担保
VAIOのPCづくりの基本方針は、“「快」が仕事の生産性を高める”。その中でも今回の新モデルのコンセプトは「働き方改革」を視野に据えた「ロケーション&ストレスフリー」とのこと。最初に登壇したVAIO株式会社の小笠原努氏はこう話します。
「どこでも、いつでも、そこがオフィスになる。このVAIO Proを通して働き方改革を実現していきたいと考えています。そのために、VAIO Pro PG(13インチ)、VAIO Pro PF(11インチ)について紹介していきます」(小笠原氏)
まず「ロケーションフリー」という魅力については、場所を選ばず働くうえで重要な「通信性能」「モビリティ」「拡張性」「バッテリー」の4点から解説されました。
テレワークに欠かせない通信性能は、SIMフリーLTEを内蔵。Wi-Fiルーターやテザリングを使わずとも、本体さえあればインターネットに接続できます。
「SIMフリーのため、格安SIMを使えば経済コストも抑えられます。複数の高速通信を束ねて利用するキャリアアグリゲーションにより、通信速度は従来の約3倍。どこにいても、安定した通信環境で業務をすることが可能となっています」(小笠原氏)
モビリティは、その薄さと軽さが証明しています。13インチモデルのPGシリーズと11インチモデルのPFシリーズはそれぞれ最薄部15mm。重量は13インチ 約1.06kg 11インチ 約0.84kg。
「これより薄くて軽いモデルも存在するのですが、VAIOはそれだけでなく拡張性や耐久性などすべてを満たす薄さ・軽さを目指しました」(小笠原氏)
その通り、VGA端子、HDMI端子、LAN端子、USB×3を、セキュリティロックスロットを搭載し、拡張性は十分。バッテリーも1時間の充電で、13インチは最長9.3時間、11インチは最長12時間の駆動を保証します。
「お客様からのフィードバックが、VAIOが内蔵にこだわる理由です。もともと端子をカットしてさらに薄く軽いモデルを発売していたのですが、お客様から『アダプタを忘れるとプレゼンができない』『アダプタを置き忘れることがある』という声を受け、新製品に反映しています」(小笠原氏)
「通信性能」「モビリティ」「拡張性」「バッテリー」……すべてを高水準で満たすVAIO PROは、ロケーションフリーを体現する機体と言えます。
ストレスフリー:メイド・イン・ジャパンの「機能美」で快適かつ安心なテレワークを
「とりあえず、どこでも使えることはわかった。しかし、それで生産性が落ちては意味がない…」そんな声に応えるかのように、VAIOは「ロケーションフリー」に加えて「ストレスフリー」も新製品の開発コンセプトとして盛り込んでいます。
キーとなるのは、快適なタイピングを追求した各部品、利便性の高い指紋認証機能、そしてVAIOの売りでもある耐久性。
「VAIOのデザインフィロソフィーは『機能美』という言葉で表されます。単に美しいだけでなく、強さや使いやすさに繋がっている形状を追い求めているのです。その一例がくさび形のウェッジシートデザインです。ディスプレイを開くとパームレストが机と途切れなくつながり、手にかかる負担が軽減されます」(小笠原氏)
また、耳障りな「カチャカチャ」という打鍵音やクリック音は、キーの加工精度を上げることで制御。周囲への迷惑を気にすることなく、高速タイプが可能に。
さらに指紋認証機能を新たに搭載。指を置くだけでログインが可能となるため、パスワード入力の必要がなくなり、セキュリティも強化。利便性及びセキュリティはさらに向上しました。
そして、兼ねてからVAIOの売りでもあった耐久性も強化。
「VAIOは『使う人にとって本当に必要な強さ』にこだわり、170cmの方が小脇に抱えた高さである90cmの落下試験や、満員電車の加圧に耐えるため150kgの加圧試験を実施しています。さらに今回はこれらに加えて、キーボード水かけ試験をおこないました」(小笠原氏)
このように、徹底的に快適さを追求したうえで、テレワークを想定した頑丈さも担保している新機種。
さらに、今回の製品については、あるこだわりが。
「徹底して品質にこだわった結果、“メイド・イン・ジャパンモデル”となりました。
アルミやカーボンなどは国内で調達。タッチパッドやパームレストは組み立ての精度によって操作感がまったく変わるので、長野本社安曇野工場の熟練工が仕上げました」(小笠原氏)
品質に妥協しないため選んだ、「メイド・イン・ジャパン」の道。「ロケーションフリー」「ストレスフリー」という言葉だけではとどまらない使用感を感じられるかもしれません。
セキュリティ:LTE内蔵とWorkspace MDMとの併用で、情報漏えいのリスクを最小限に
「働き方改革」をさらに現実的なものとするために、さらにもうひとつのこだわりが紹介されました。それが、「LTE内蔵PC×MDM」。LTE内蔵のVAIOとNTTコミュニケーションズ株式会社のWorkspace MDMとを組み合わせることで、モバイルワークに必要なデバイス管理とエンドポイントセキュリティ対策をおこなう施策です。
この取り組みについてVAIO株式会社商品企画担当の黒崎大輔氏(以下、黒崎氏)とNTTコミュニケーションズ株式会社谷口廉忠氏(以下、谷口氏)からプレゼンがありました。
NTTコミュニケーションズ株式会社が運用するMDM、「Workspace MDM」はデバイスマネジメント(資産管理・セキュリティ管理)、アプリケーションマネジメント、Webアクセスマネジメントが可能なツールです。デバイスの運用管理やセキュリティリスク対策、情報漏洩対策などモバイルワークを進める上でのソリューションを提供します。
そんなMDMがLTEを内蔵するVAIOとつながることで、どんなメリットが生まれるのか。谷口氏はこう説明します。
「オフラインではインベントリ情報を収集や位置情報の取得ができないMDMは、オンラインであることが前提です。しかし、盗難や紛失など有事の際はオフラインであることが大半。第三者の手に渡った時にMDMからロックの信号を送っても届きません。そこで常時オンライン接続ができ、起動の瞬間にロックができるLTE内蔵端末が効果を発揮するのです」(谷口氏)
ロックの精度については、「Workspace MDM」の得意分野。リモートで画面をジャックするので、アクティブディレクトリのIDやパスワードを取得されても、第3者はログインできません。ロックをかけた上でのログの取得や位置情報も確認可能。有事の際には大きな成果を挙げます。
「LTE内蔵を選ぶお客様はWi-Fiルーターの購入と比べて『トータルコストの節約』を挙げられるケースが多いですが、実はこのようにMDMと連携することでセキュリティも強化されるのです」(黒崎氏)
MDMはWi-Fiフィルタリングも備えており、会社のWi-FiのSSIDをホワイトリストに登録した上で外部のセキュリティが危ういWi-Fiを使わせないことも可能。情報漏洩のリスクを最小限に抑える、安全・安心のモバイルワークを実現します。
自分たちが良いと思ったものを薦めるのが、VAIO流
以上のように働き方改革を推進する、VAIO。その理由について、執行役員の花里隆志氏はこう話しました。
「VAIOは長野県安曇野市に本社を置いていますが、営業の拠点は東京の五反田オフィスです。その距離は電車で約3時間半。この距離を埋めるためVAIOは自ら働き方改革を体現し、お客様にすすめているのです」(花里氏)
VAIO株式会社が発表した今回の新シリーズは、企業の働き方改革を推進する上で大きな役割を果たすでしょう。テレワークやフリーアドレスを導入する企業が増える昨今、「ロケーションフリー&ストレスフリー」を実現する同社のモバイルPCは、時間や場所の制約を解き放ち、働く人たちのワークスタイルを変革していくはず。モバイルPCが持つ機動性と、LTE通信機能に代表される高速モバイルネットワークによる「ロケーションの自由」。キーボードやタッチパッド操作など、日常操作の快適さの追求による「ストレスからの自由」。この2つを体感しながら、高い生産性を実現できる。そんな同社の新製品は、私たちのスマートワーク実現を強力にサポートしてくれるでしょう。
「働き方改革2017」VAIOブースの様子
最後にイベント当日の様子を写真を中心にご紹介します。