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帰宅時や外出前など、急いでいるときに急に始まる「Windows Update」。面倒くさいと思っている人も多いかもしれません。でも実は、これこそが企業と個人を守る最大の防御策なのです。今回は、悪い人たちがどのようにあなたの情報を狙ってくるのかを知り、時間がかかるだけで面倒だと思っていたアップデートの重要性を学びたいと思います。
アップデートは「新機能のため」だけじゃない
皆さんはWindows Update を行っていますか? 突然始まって、終わるまでは電源をオフにできず、ひたすら終了するのを待つ…。たいていそれは急いでいるときに始まって、なんとかしてキャンセルする方法を探すという方もいるのではないでしょうか。
似たようなものではOS のアップグレードがあります。パワーユーザーほど「新しいWindowsじゃなくても、いまので十分」という評価をしがちです。それに、アップデート作業にはトラブルがつきものです。トラブル回避のため、いまもWindows 7 やOffice 2013 を使っている企業はあります。それにアップデートを行うと、必要じゃない新機能が勝手に付いてきたり、便利だと思っていた機能がなくなっていたり。皆さんも経験があるのではないでしょうか。
そのような状況ですので、「アップデートはできればしたくない」という気持ちもわからなくはありません。しかし現在においては「最新のアップデートを適宜適用し、できる限り最新のOS、アプリを使う」ことが、サイバー空間で安全を得るためにもっとも近道なのです。
アップデートで安全になる!?
最近のOS やアプリケーションにおいては、アップデートは新機能追加だけでなく「脆弱性の修正」も重要なポイントになっています。脆弱性とは、OSやアプリケーションにおける「一撃必殺の弱点」のようなもの。この弱点を突かれてしまうと、PC やシステムを乗っ取られ、こっそりと不正な動作をさせられたり、情報を盗まれたりしてしまいます。ギリシャ神話に登場する不死身のアキレスも、「アキレス腱」という弱点がありました。これこそが脆弱性です。
多くのマルウェアは、この脆弱性を利用してあなたのPC に侵入を仕掛けてきます。現在、ネット上では1 日に20 万件以上のマルウェア亜種が作成されています。マルウェアを相手にしようとすると、相手は膨大な数になってしまいます。ところが、そのマルウェアを解析してみると、ごく限られた数の「脆弱性」が対象になっている場合があります。毎日20 万件増えるマルウェアそのものに対策を打つより、マルウェアが狙う「脆弱性」を対策したほうが、より現実的といえるでしょう。