働き方

専門家が語る、働き方改革を推進する方法『VAIO働き方改革支援「Work×IT」セミナー』レポート

執筆者:中西 英雄

働き方改革の推進が叫ばれる昨今。多くの企業が様々な手法でワークスタイル変革を進めています。しかし、汎用性の高いロールモデルが少なく「なにから取り組めばよいのか?」と四苦八苦されている経営者や人事担当者も多いのではないでしょうか。

そんな方に働き方改革の導入・成功のイメージを掴んでもらうために、VAIO株式会社は日本マイクロソフト株式会社の特別協力を得て、『VAIO働き方改革支援「Work × IT」セミナー』を開催しました。

当日は、株式会社ワーク・ライフバランスの堀江咲智子氏、日本マイクロソフト株式会社の春日井良隆氏が登壇。中小企業が働き方改革を推進する必要性やメリット、導入のポイント、働き方改革の事例などについて語っていただきました。さっそく当日の様子をレポートします。

特別ゲスト講師、株式会社ワーク・ライフバランス 堀江咲智子氏

誤解されがちな「ワークライフバランスの目的」

「労働時間が減ると業績が落ちる」「メリットがない」と思い込み、働き方改革の推進に消極的になっている経営者やご担当者の方も多いのではないでしょうか。最初に登壇した特別ゲスト講師の株式会社ワーク・ライフバランス堀江氏は、「目的を把握しない限り、働き方改革を推進しても失敗に終わってしまう」と説明します。

「介護や育児、出産といった事情がある方に対して制度を設ける企業はたくさんあります。しかし、こうした制度は『ワークファミリーバランス』に分類されるもので、『ワークライフバランス』とはまったく異なります。『ワークライフバランス』は、仕事の内容や進め方を見直すことで生産性の高い組織を作り、事情があるなしに関わらず、全社員が早く帰れるようにすることです。ワークファミリーバランスに関する制度しかない組織では、業績が落ちる例もあります」(堀江氏)

堀江氏の話によると、産休・育児休暇、介護休暇を導入するだけでは「働き方改革」としては不十分ということになります。根本的に仕事の進め方を改革し、効率化を進めない限り、働き方改革はカタチだけのものになってしまい、悪いサイクルが生まれてくるようです。

「ワークのアウトプットを増やすためには、3つのステップがある」とポイントを解説する堀江氏

 

「働き方改革」に必要な3ステップと3つの視点

「私たちが推進している働き方改革は、『ワークとライフの相乗効果を目指す』ものです。家庭やプライベートで得てきた人脈やアイデア、スキルなどのインプットを仕事にアウトプットして、仕事の質と効率を高めていく。これが本質的な働き方改革と『ワークライフバランス』だと考えています」(堀江氏)

「仕事が早く終わっても、飲みに行ったり、不毛な時間を過ごしてしまうのでは?」と感じるかもしれませんが、そうではないようです。堀江氏は次の3ステップを踏んでいくことで、働き方改革のよいサイクルが生まれると言います。

「ライフの時間が増えると、多くの人は睡眠時間を増やしたり、食生活を改善したりして、健康を取り戻そうとします。次に、今まで行けなかった場所や会えてなかった人に会おうとします。そして、最後に仕事にプラスになることをしたいというモチベーションが高まるのです。多くの人がこの3ステップを経て、ワークのアウトプットを高める傾向にあります」(堀江氏)

では、なぜ働き方改革に着手する必要があるのでしょうか。それは変化の激しい社会で生き抜くためには、企業の底力を強化することが必要不可欠になるからです。少子高齢化が進み、人材確保が難しくなる現代でアイデアやイノベーションを生み出すためには、多様性のある社員を育成する土壌が欠かせないのです。

こうした土壌を作る上で欠かせない働き方改革に取り組むにあたって、堀江氏は下記3つのポイントが大切になると言います。

  • 改善や改革の視点…社内全体で、これまでのフローや進め方に疑問・改革の視点を持つ
  • 組織の人材の多様性…均一な組織からは多様なサービスが生まれない。
  • 変化に風通しのよい組織…多様なアイデアを発信しやすい風土作り

中小企業は組織がコンパクトで細分化されていない傾向にあるため、大企業と比較して改革の効果が出るのも早いそうです。
特別ゲスト講師の堀江咲智子氏は、中小企業が働き方改革を推進すべき背景をロジカルに講演して頂きました。多くの受講者の方がその必要性を強く感じたのではないでしょうか?

[株式会社ワーク・ライフバランス 堀江咲智子氏による講演資料をダウンロード]

では働き方改革を推進している企業にはどのような効果が生まれたのか。つづいてのセッション「日本マイクロソフトの働き方改革」に続きます。

日本マイクロソフト株式会社の働き方改革事例を紹介した春日井氏(写真は2017年9月21日に開催されたVAIO新製品発表会時のもの)

日本マイクロソフト株式会社が掲げる「働き方改革ムーブメント」

堀江咲智子氏に続いて、日本マイクロソフト株式会社 Windowsプロダクトマネージャーの春日井良隆氏が登壇。働き方改革においてITが果たす役割について、日本マイクロソフト株式会社の事例とともに紹介しました。

現在、日本マイクロソフト株式会社は「働き方改革ムーブメント」という運動を行っています。これは2020年に向けて、自社だけではなく様々な企業・団体と協力して「働き方改革」を活性化していこうという取り組みです。春日井氏によると、同社の働き方改革は震災のあった2011年からスタートし、下記のような段階を踏んでいきました。

<日本マイクロソフト株式会社の働き方改革の変遷>

2011〜2013年 「テレワークの日」の設定…日本マイクロソフト株式会社単体の動き
2014〜2015年 「テレワーク週間」の設定…他の法人も巻き込んだ動き
2016年〜2020年 「働き方改革ムーブメント」の開始…日本全体を巻き込んだ動き

もちろん働き方改革を進めていく上で、他の企業と同じように経営課題とどう向き合うか?を乗り越えていかなくてはいけませんでした。

 

日本マイクロソフトが重視した3つのポイント

日本マイクロソフト株式会社が当時抱えていた経営課題は、「生産性」「情報共有」「コスト」「離職率」の4つ。この課題を乗り越えるために春日井氏は以下3つのポイントを意識して改革に取り組んだそうです。

「1つめは、“トップダウン”。経営層がビジョンを持って会社全体に改革の意識を落とし込むことが大切です。そうなると、次に「上から言われたから」と反発がないように、社員一人ひとりに“課題改革”の意識を根付かせることが大事になります。3つめは“職場環境”です。社員同士の交流活性化をするために“壁払い”をしたんですね」(春日井氏)

このような風土をつくるためには、テレワーク、リモートワークなどの“どこでも働ける”制度を整え、経営課題を乗り越える“手段”が必要になります。その手段こそが“IT”だと春日井氏は言います。

「ITや最新デバイスがテレワークや効率化に果たす役割は大きい」と春日井氏は説明しました

 

ITとデバイスの活用が働き方改革を推進する

春日井氏は「クラウドによる生産性の向上」を成し遂げた例として、Web会議を挙げました。日本マイクロソフト株式会社では、社内会議・ミーティングはオンラインがマストになっています。そこで得られるメリットは、「スケジュール調整の簡略化」「会議時間の削減」「機会損失の減少」「コスト削減」だそうです。

「会議に参加する人数が多くなると、スケジュール調整が難しくなります。日程が伸びることによって対応が遅れたり、営業機会の損失につながるリスクもあります。弊社では、『Power BI』というBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを使用していますが、これは共通のビューに任意のデータを任意の方法で映し出すことができます。例えば、月次データを年次データに簡単に変換できたり、Web会議でリアルタイムの情報共有ができたりします。そのため、紙の資料を使うことはほとんどありません」(春日井氏)

社外で作業をする時間が多くなると、テレワーク・リモートワークの実現が必要となってきます。その際に、経営者が懸念するのは、情報漏洩などのセキュリティ問題ではないでしょうか?その点は、最新デバイスの導入で解決できると春日井氏は言います。

「デバイスの進化というのは起動のスピードや持ち運びやすいなどの利点もあります。例えば、ノートパソコンからはHDDがなくなり、SSDが主流になりつつあります。私はここ10年で一番感動したのは、SSDの起動の早さでした(笑)。またセキュリティーでは生体認証でログインする機能がありますので、他者が使うことができません。ハッカーやウイルスに関しても、統計を見ると古いシステムの方が侵入しやすいので、狙われやすい。そういった意味でも、ITや最新デバイスがテレワークや効率化に果たす役割は大きく、ひいては働き方改革の実現に大きな役割を果たすことになると思います」(春日井氏)

 

最後に

お二人のお話から、表面的な制度ではなく、社員を巻き込んだ意識改革や本質的な業務改善が働き方改革には不可欠であることがわかります。社内で改革意識が醸成される過程において、あらゆる課題が発生することは避けられません。ITやデバイスの活用はプロセスごとに発生する課題を解決する有効な手段となるでしょう。働き方改革を推進する経営者や人事担当の方は、ご紹介したポイントを意識しながら、自社にフィットする最適な方法を実践してください。

中小企業こそ取り組むべき働き方改革講演資料ダウンロード

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