IT

法人PC だからこそ意識したい「コストパフォーマンス」の考え方

法人PC 「コストパフォーマンス」

かつての法人向けPCは価格重視で選定される傾向がありました。しかし、近年では用途や働く環境の変化により、高性能・多機能なPCが求められています。同時に、PCを持ち出す機会が増え、不意の落下や破損も増えたことから耐久性も求められ、価格のみを重視したPCでは企業のビジネス要件を満たすことができなくなってきました。

法人向けPCを導入する際に検討する「コストパフォーマンス」は、価格だけではなく、快適に業務をこなせる性能・堅牢性・長期信頼性・メーカーサポートに加え、保守のしやすさ、トラブル発生時にかかるコストや対応工数などのランニングコストも考慮すべきです。そこで今必要な法人向けPCに必要なポイントを解説します。

法人向けPCの「コストパフォーマンス」は価格だけにあらず

法人向けPCの運用コスト

法人向けPCの「コスト」は、初期導入費用にとらわれがちです。しかし実際は、業務をこなすために必要な性能、長期間の安定利用、保守やトラブル時のサポート体制、ランニングコストなど、TCO(Total Cost of Ownership、以下TCO)の観点から検討する必要があります。

導入コストだけではなく、運用コストも含めたTCOを検討する

PCを導入する場合、初期導入費用以外にもソフトウェアの導入や更新のほか、保守にかかる人件費や対応工数、破損や紛失といったトラブル対応、電気代など潜在的なコストがかかります。さらにバッテリーの劣化やキーボードの摩耗、埃つまりなど経年劣化などのメンテナンスコストも発生します。まずは、導入するPCのライフタイムで必要となる総コストを把握しておきましょう。

同時に、製品自体の品質チェックも必要です。品質の悪いPCは、短期間で故障し修理やパーツ交換といった想定外の費用が発生する可能性があります。メーカーによる品質チェックが徹底され、長期間利用できる信頼性を備えた製品を選択することも、TCOを抑えることに繋がります。

事業継続性を担保するために堅牢性も意識

ハイブリッドワークが一般的となり、PCを持ち運ぶ機会が多くなりました。それにより、不意な落下による故障も増えています。PCが故障すると代替PCの手配中や修理中には業務が行えず、最悪の場合、多大な事業損失を引き起こす可能性があります。優れた堅牢性を備えることもPC選定の重要な要素です。

業務を快適に行える仕様を満たすことが絶対条件

価格のみを重視したPCを導入した場合、業務で必要な性能を得られないことがあります。一般事務や営業職などで必要とされるPCでも、昨今ではWeb会議などの比較的高負荷なアプリと複数のアプリを同時利用する場面も少なくありません。

PCの性能が低ければ、同じ作業でも時間がかかることで生産性が落ち、収益を引き下げることに繋がります。ハイブリッドワークの継続を考慮するなら、Web会議を快適にこなせる高性能カメラや、生体認証機能などの高度なセキュリティー機能も必須となるでしょう。

事務や営業活動を快適にこなすためのPC仕様の条件

PC仕様の条件

企業にはさまざまな業務があります。なかでも比較的多くの社員が従事する事務や営業業務に必要となるPCの仕様についてみていきましょう。

メモリー容量は最低8GB、できれば16GB以上搭載すべし

Windows 11のシステム要件は、メモリー容量4GB以上ですが、これはあくまで動作の最低条件です。比較的動作が軽いとされるOffice系アプリの利用が中心でも、快適に作業をこなすには最低でも8GBの搭載が不可欠です。またWeb会議を頻繁に行うのであれば16GB以上のメモリーを搭載しておくと安心です。

プロセッサー性能は必要十分なものを選定

現在のプロセッサーは、性能が高くなっています。Intel Core i5やCore i3など比較的低価格なプロセッサーでもOffice系アプリやWeb会議アプリなどを利用できる性能を備えています。高コストなCore i7でなくても、Core i5であれば、生産性を落とすことなくコスト削減が可能というわけです。

長期運用を前提としたスペックを

一般的に、法人向けPCの利用年数は5年ほどと言われています。しかし、5年も経過すればOSやアプリが進化し、現在のスペックでは対応できなくなる可能性が高くなります。例えばWindows 11は、メジャーアップデートの周期が3年に設定されています。リリースが2021年10月なので、アップデートは2024年10月に行われることになり、そのタイミングで動作要件が引き上げられる可能性があります。長期運用を想定するのであれば、将来を見越してある程度高めのスペックにしておくことも重要です。短期間で買い換えが必要にならないように余裕のあるスペックを選定することもTCO観点から有効と言えるでしょう。

なるべく高性能なカメラを搭載するPCを選ぶ

ハイブリッドワークで必須となるWeb会議を快適にこなすために、カメラや音声まわりの機能も重要です。

ハイブリッドワークに高性能カメラは欠かせない

カメラは画質が悪ければ、相手に悪い印象を与えてしまいます。PCに搭載されるWebカメラは、最低でもHD画質(720p)、できればフルHD画質(1080p)に対応するものを目安に選ぶとよいでしょう。

高性能カメラ

同時に明るさ調整や逆光補正など、撮影した映像を高画質化する機能の有無も重要です。Web会議アプリにも搭載されていますが、メーカーが独自機能としてPCに搭載している場合には、より高い効果が得られ便利に活用できます。

音声品質を向上させて快適なWeb会議を

例えば、マイクで拾った音声から、エアコンの動作音などの環境音やまわりの人の声、緊急車両のサイレンなどの音を削除するノイズキャンセリング機能があれば、Web会議を行う場所選びにかかる無駄な手間や時間を省くことができます。

セキュリティー機能も欠かせない

ハイブリッドワークではオフィス外でも業務をこなす必要があることから、万が一の紛失や盗難時などを見越したセキュリティー機能は不可欠な要素となります。

どこでも仕事をこなすためのセキュリティー

ハイブリッドワークで利用するPCでは、推測しづらい複雑なログインパスワードを設定したり、短時間で画面ロックに移行させるといったセキュリティー対策が不可欠です。しかし、セキュリティーを高めたがゆえに作業効率が下がってしまうのは逆効果です。そこで指紋認証や顔認証などの生体認証機能を利用すれば、パスワードの入力時にのぞき見られる心配もありませんし、複雑なパスワードを設定しても瞬時にロック解除が行えます。優れたセキュリティー性と利便性を高いレベルで両立でき、法人PCに必須の機能ともいえます。

プライバシーシャッター

また、内蔵カメラにプライバシーシャッターが備わっていると、物理的にカメラを覆うことで、不意にカメラが機能し映像や画像が流出するリスクを軽減し、プライバシーを守れます。

万が一紛失や盗難にあった際のセキュリティー機能も

紛失や盗難トラブルに遭遇したとき、第三者が保存したデータの閲覧やコピーができないように、強固なパスワードの設定や内蔵ストレージの暗号化は必須の条件です。さらに遠隔操作でPCをロックしたり、保存したデータを消去する機能が搭載されていれば、より安全性が高まります。

遠隔操作によるPCのロックやデータ消去には、いくつかの方法があります。例えば「ワイヤレスWAN」を介したPCロック/消去サービスなら、PCが携帯通信網のエリア内にある限り、遠隔操作でPCロックやデータ消去ができ安全性が大きく高まります。

キッティングサービスで導入時の負担を軽減

多数のPCを導入する場合、アプリのインストール、ネットワークやプリンターなどの設定、業務利用のステッカー貼付といった作業に工数と時間がかかります。これら導入時の負担を軽減できるのが「キッティングサービス」です。インストールや各種設定がほぼ終わった状態で納入されるため、工数と時間を大幅に軽減できます。それにより従業員のリソースをほかの重要な業務に割り当てられるので、企業全体の生産性を高めることに繋がります。

法人向けサポート

法人向けサポートの内容

法人向けのサポート内容は、メーカーごとに異なります。例えば、24時間365日サポートもあれば、平日ビジネスタイム限定もあります。修理時では、オンサイトサポートかセンドバックサポート(故障した製品を指定窓口に送る)のみか、代替機提供はあるかといった部分に違いがみられます。どのタイプのサポートが必要かは企業や業務内容によって異なり、必要以上のサポートは不要なコストにつながります。PCの用途を明確にすることと、業務から判断するトラブル対処の許容時間といった点を考慮して必要なサポートを見極めるといいでしょう。

無駄を省き必要な部分にコストをかけTCOを削減できる

業務に必要となるPCの仕様やサポート体制を把握し、無駄な部分を省きつつ必要な部分にはコストをしっかりかける。また現在の働き方に合わせた最適な仕様のPCを導入することが現在の法人向けPCには必要となります。その結果PCの導入コストが上がったとしても、PCのライフタイムを通じてTOCの削減や仕事の生産性向上に繋がるのであれば、結果的にコストパフォーマンスが優れることになるのです。

今すぐWindows 11搭載機への乗り換えに着手すべきワケとは?

2021年10月5日にリリースされたWindows 11は、システム要件が大幅に変更されたOSです。新規PC導入にかかるリードタイムを見据えると、今すぐに検討・着手を始めるべきといえます。PCを乗り換えるべきワケとともにポイントをみていきましょう。

  • 大幅に引き上げられたハードウェア要件
  • Windows 11は高次元のセキュリティーに対応
  • OSのコア部分や重要領域を保護する新機能を搭載
  • Windows 11搭載の最新PCとは?
今すぐWindows 11搭載機への乗り換えに着手すべきワケとは?

無料ebookをダウンロードする

関連記事

インテル Core プロセッサー
インテル® Core™ プロセッサー
Intel Inside® 圧倒的なパフォーマンスを

Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Core Inside、Intel vPro、vPro Inside、Celeron、Celeron Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、Xeon、Xeon Phi、Xeon Inside、Ultrabook、Iris は、アメリカ合衆国および/またはその他の国における Intel Corporation の商標です。

※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。