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ワークライフバランスが生産性アップの鍵!?専門家 永田瑠奈氏に聞く、働き方改革の推進を妨げる要因と対処法

ワークライフバランスが生産性アップの鍵!?専門家 永田瑠奈氏に聞く、働き方改革の推進を妨げる要因と対処法

私が参画している株式会社ワーク・ライフバランスでは、2006年からワークライフバランスに関するコンサルティングを実施しています。ワークライフバランスとは、ワークとライフを5:5にすることや、二つを天秤にかけてバランスを取ることと捉えられがちですが、「ライフで健康な状態を作ることができるからワークで最高のパフォーマンスを発揮できる」「ライフでの人脈や学びから得たインプットがあるから、ワークでアウトプットされる質が高まり組織がより発展していく」、そんなワークとライフがシナジー(相乗効果)の関係にあることを、私たちはワークライフバランスの本質と捉えています。しかし、大企業では取り組みが進んでいるものの、中小企業ではなかなかワークライフバランスの着手が行われていないのが現状です。本記事では、ワークライフバランスの重要性と、中小企業で導入するにあたっての弊害とその解決方法について、紹介していきたいと思います。

永田瑠奈氏
執筆者 永田 瑠奈氏
三重県知事直下の「働き方改革・生産性向上推進懇談会(ワーク・ライフ・バランス推進タスクフォース)」委員会で座長を務める。県内企業のコンサルティング事業を進める等、地方創生の観点からも働き方改革を実施。現在のクライアントは、商社、通信業界、アパレル業界、IT業界、建設業界、旅行業界、製造業、地方自治体等

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睡眠時間4時間、自宅と会社の往復に疑問。長時間労働=成果ではない

前職では福利厚生サービスを展開する会社の営業部門に勤めていました。夜討ち朝駆けも厭わない営業スタイルで、毎日の睡眠時間は平均4時間以下。売上目標を達成するためならば、時間をどれだけ使っても何の違和感もありませんでした。さらには、毎日残業で長い時間働いていることを、同じ年の友人たちよりも“長く働いている=自分は頑張っている”とさえ思い込んでいたのです。

一方で職場の非効率なやり方に疑問もあり、ある業務の効率化を実践したことで、同期の中で、最速受注、最高額受注、最高達成率の実績をあげることができました。しかしながら、自宅と会社の往復だけの毎日に疑問が沸いてきたのです。同時に社会福祉学を専攻していた学生時代の「女性が、育児か仕事の二択に迫られる世の中を変えたい」という思いも再熱してきました。

短時間で成果をあげる働き方を身に付け、仕事以外の時間を大切にし、もっと充実した人生をおくれる人を増やしたい。女性が育児も仕事も選べる世の中をつくりたい、という気持ちが強くなり、今の会社に転職しました。

現在は残業ゼロの働き方を実現し、前職の半分ほどの時間しか働いていません。しかし、商材は違えど、売上金額を約30倍にまで伸ばすことが出来ています。長時間働くことで頑張っていた自分が恥ずかしくなるほど、生産性が高まっていることを自身でも実感しています。

 

ワークライフバランスが生産性アップの鍵!?専門家 永田瑠奈氏に聞く、働き方改革の推進を妨げる要因と対処法_02

 

なぜ、いまワークライフバランスが求められているのか?

弊社の創業当時はまだ、“ワークライフバランス=女性のため”の施策との誤解が多くあり、女性支援のご依頼がほとんどでした。しかし、現在は生産性向上の経営戦略として、働き方改革・ワークライフバランスを実現しようとする企業が増えてきました。国も働き方改革を推進し、テレビや新聞などのメデイアで働き方改革の文字を見ない日はない程に注目されています。

その理由は、日本の人口動態に隠されています。深刻な問題である少子高齢化の本質は、働き手である労働力人口が減少していること。すでに地方の中小企業などでは深刻な人員不足に悩まされており、存続が危ぶまれている企業も少なくありません。少ない労働力でも組織が勝ち続けるためには、時代の変化に合わせた働き方へのシフトが必要不可欠です。

1960年代~90年代半ばごろの日本は、「人口ボーナス期」という生産年齢比率が高く、高齢者比率の低い時期でした。この時期は、労働力が余っているので人件費も安かったため、「早く・安く・大量に」を武器に世界の市場を凌駕することができました。残業してでも早く納品した会社が競合他社に勝てる、時間に比例して成果が出る時期だったのです。また、高齢者が少ないことから社会保障費がかさまず、利益をインフラ投資に注ぎ込むことで爆発的に経済が発展した時期でもありました。

しかし、高度経済成長した国では次第に少子高齢化が進み、「人口オーナス期」と呼ばれる少ない労働力で多くの高齢者を支える時代に突入します。

 

労働人口の減少により、旧来型の働き方では生き残っていけない

人件費が高騰し、「早く・安く・大量に」の仕事はどんどん国外へ流出します。国内に残る仕事は、多様になり続ける市場のニーズに応えられる高い付加価値を出す仕事ばかり。晩婚化・晩産化も同時に進み、育児と介護を同時に抱えなければならない人材も珍しくありません。つまり、これからの日本では労働力人口の減少により人員確保はより困難になっていきます。時間に頼った働き方ではもう生き残っていくことができず、仕事の質も変化するなかで、優秀な人材を獲得・定着させるためには、どのような人材でも活躍できる職場環境をつくるために働き方改革が急務なのです。

こうした危機的状況をいち早く察知した大手企業では、徐々に働き方改革が進んできており、すでに採用面や生産性で成果を出しはじめています。

一方で、中小企業では「難しさ」を感じて取り組みがなかなか進まないという声をよく耳にします。これまで900社以上にコンサルティングを実施してきた実績から、その課題と対処法についてご紹介させていただきます。

 

予算をかけなくても働き方改革は可能!3つの“カエル”を大事にしましょう!

働き方改革にはお金が掛かるという誤解が弊害のひとつになっているようです。新システムを導入する、オフィスのレイアウトを大幅に変える、コンサルティングを依頼する……どれも費用が掛かります。

しかし、その前に一度考えてみてください。システム導入の前に、個人のPCスキルを上げることで解決できませんか?オフィスのデスクや棚を買い替える前に、あるモノを最小限にすることはできませんか?個々の頭の中に眠っているその「もっと良くなるには」というアイディアを、今は職場の仲間と話し合う場がないだけなのです。弊社ではその場のことを、「早く帰る」「働き方を変える」「人生を変える」の3つをかけて「カエル会議」と呼んでいます。働き方に関する問題点について出し合い、その解決策を考える場を定期的に設けている組織では、必ず働き方改革が進み、成果に結びついています。

そしてコンサルティングの導入についても、費用を掛けずに導入することが出来る手段が多くあります。例えば、三重県では2015年より県の事業でコンサルティング費用を負担しています。応募した企業に、専門家として弊社コンサルタントが派遣され、働き方改革を進めています。

また、コンサルティングまでいかずとも専門家に相談したい、アドバイスがほしい、という企業80社に対して、アドバイザーを派遣する事業も全国の多くの自治体が実施しています。中小企業が働き方改革を進めやすいように助成金の制度がある自治体もありますので、ぜひ調べてみてください。

 

ワークライフバランスが生産性アップの鍵!?専門家 永田瑠奈氏に聞く、働き方改革の推進を妨げる要因と対処法_03

 

中小企業が働き方改革で取り組むべき3つのポイント

先述のとおり、中小企業でも働き方改革を進めることは可能です。中小企業の特徴からを考慮した取り組み方のポイントを3点にまとめてお伝えしたいと思います。

 

①パラダイムシフトを起こし、これまでの当たり前を疑う!

本当にこのままのやり方で良いか?このやり方は変えられないのか?自分でないとできないことなのか?と今までの当たり前を疑って、「パラダイムシフト」を起こしていくことが重要です。一人当たりの守備範囲が広い中小企業では、一人が長くその業務を担当しているケースも多いため、長く働けば働くほど現状のやり方に疑問を持つ機会はなかなかありません。この先の日本の人口動態や発展させるべき日本経済のことを考えると、残念ながら仕事量は増え続ける一方で、労働力は減り続けます。今から働き方改革を進めて、短時間で今以上の成果をあげられる働き方を身に付けることが、中小企業が勝ち続けるための必須事項だと考えています。

 

②トップマネジメント

トップと現場の距離が近いことも、中小企業の特徴です。少数精鋭のため社長自らがプレイヤーとして動くケースをよく見かけますが、社員を信じて業務を任せることで、社員の考える力や判断力を成長させることができます。社員に仕事を任せて空いた時間をマネジメントに使っていくことで、社員の悩みにタイムリーに対応し、成長を加速させることに繋げていくことができるのです。

 

③費用を掛けずにできることを見つける

費用がなくても、働き方改革を進めることはできます。自分たちだけでできることもあれば、国や自治体の支援を活用してできることもあります。弊社ではこれまで900以上の組織のコンサルティングを実施させていただいておりますが、短時間で質の高い議論をするためのサポートや他社事例紹介によるアドバイスはしているものの、実際に各組織が実施している施策は皆さんの議論から生まれているものばかりです。

例えコンサルティングを導入したとしても、答えを出すのは皆さん自身なのです。まずは、働き方に関する疑問やアイディアを出し合う場を設けましょう。そして、他社はどんな風に働き方改革を進めているのか、具体的な事例を知りたい方は、弊社HPを覗いてみてください。

また各自治体などで働き方改革の報告会も行われていますので、そうしたところへ足を運んで、お金を掛けずに情報収集することも働き方改革を推進する第一歩です。

 

ワークライフバランスが生産性アップの鍵!?専門家 永田瑠奈氏に聞く、働き方改革の推進を妨げる要因と対処法_04

 

働き方改革に成功した中小企業の例

中小企業の多くに共通している特徴として、少ない人数で全ての仕事をこなせるよう、一人当たりの守備範囲が非常に広いことが挙げられます。そのため、1案件1人担当になり、担当者しか分からないという仕事の属人化が常態化します。休めない、ノウハウが引き継がれない、若手が育たない、という悪循環が起きています。

中小企業でいくつか働き方改革に成功した事例をご紹介したいと思います。

 

成功事例1
たった4名の従業員で成し遂げた働き方改革/有限会社クローバー総合保険事務所

4名の従業員で保険代理店を営む有限会社クローバー総合保険事務所さん。これまで社長自身が自分にしかできないと思っていた様々な業務を、従業員に任せていくことからチャレンジしました。また契約者から聞いた話をメモとしてシステムへ登録していき、情報を一元化。突然の問い合わせでもそのとき事務所にいる誰もが代わりに対応できる体制を整えました。従業員5名体制だった前年度の売上をも超える売上過去最高額を達成することに繋げています。

 

成功事例2
労働時間を大幅削減し、売上15%アップを実現/株式会社中部システムセンター

株式会社中部システムセンターさんでは、社長がプレイヤーではなくマネジメントに徹し、若手の成長のためにも様々な権限移譲を実施しました。また、社員の成長やちょっとした変化にすぐさま気づけるよう、社員との雑談を積極的に行うように心がけました。

すると、ある日「子供のクリスマス会でサンタ役をやることになったけれど、休んでよいものか……」との相談がありました。

家族行事に後めたさを感じることなく休んでほしいとの思いで新しく設けたファミリー時間休暇の取得を勧めたとのことです。その後も繰上勤務制度など社内のニーズに合わせた柔軟な制度整備が行われており、社員と社長が一体になって会社の改革を進めています。

さらには成果のために時間という切り札を使うことがないよう、時間当たりの生産性などを項目に入れた「貢献度反映型評価制度」を策定。評価項目も社員に開示し、モチベーションUPにつなげています。小さなことでもタイムリーに社長に相談できる環境づくりや権限移譲により全社員の考える力や判断力の底上げが実現したことで、労働時間を大きく減らしながら生産性(粗利益/社員数)15%UPに繋げました。

 

まずは働き方改革を始めてみましょう!

働き方改革を通して、短時間でこれまで以上の成果を出せる働き方へとシフトしていくことで、ワークばかりの毎日にライフの時間が生まれるようになります。すると、最大のパフォーマンスを発揮できる健康な体を手に入れることができ、スキルアップや最新のニーズをインプットするなどワークへアウトプットする質が高まる。そして、さらに短時間でより高い成果を出せるようになっていく。これこそがワーク・ライフバランスの本質であり、こうした好循環を実現することは、組織の生産性を上げ続けるために必要不可欠な手法です。皆さんも、できることから働き方改革を始めてみませんか。

 

働き方改革最新事情

いよいよ働き方改革は”法律”

2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されています。
ここ数年、世間では「業務効率化」「生産性向上」「デジタル化」などと叫ばれてきた一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
なぜ働き方改革が必要なのか?またどのように進めていけばいいのか?
改めて今後の「働き方改革」に迫っていきます。

  • いよいよ働き方改革は”法律”
  • ”2025年の崖”とは
  • 2025年までに迎える代表的なDX
  • 中小企業はデジタル化が遅れている
  • 育児や介護をしながら働ける現場つくり

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いよいよ働き方改革は”法律”

2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されています。
ここ数年、世間では「業務効率化」「生産性向上」「デジタル化」などと叫ばれてきた
一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
なぜ働き方改革が必要なのか?またどのように進めていけばいいのか?
改めて今後の「働き方改革」に迫っていきます。

主な内容

  • いよいよ働き方改革は”法律”
  • ”2025年の崖”とは
  • 2025年までに迎える代表的なDX
  • 中小企業はデジタル化が遅れている
  • 育児や介護をしながら働ける現場つくり

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※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。