コロナ禍をきっかけとして、私たちの生活は大きな変革の渦中にあります。デジタル化が加速し、Web会議システム等の遠隔コミュニケーションツールやクラウドサービスを活用した「テレワーク」が広く普及しました。
一方で、フルリモート環境では社員同士のコミュニケーションが不足する等の課題が新たに発生し、オフィスワークの重要性についても再注目されています。つまり、テレワークとオフィスワークのハイブリッドな運用が今後の企業に求められる要件であり、そのための組織制度やITデバイスの整備が必要だといえるでしょう。
本記事では、VAIOが2,956名を対象に実施した「テレワーク・在宅時における業務PCに関するアンケート調査」の結果(実施期間2022年4月8日〜5月13日)を踏まえて、今後の働き方に対応するITデバイス整備のヒントを探っていきます。
アンケート回答者の業務用PCにおける立場は?
はじめに、今回のアンケートにご回答いただいた方の属性について見ていきます。
■業務用PCの導入に関する立場
(n数 = 2956)
全体の約4割が「PCを利用する」一般社員の方である一方、約3割が「グループ会社や自社または部門でのPC導入に何らかの形で検討する」を選択、他は「自社での導入要望を出す」「他社へ販売・提案する」という立場の方となっています。
テレワーク・在宅勤務の実施状況について
次に、テレワークおよび在宅勤務の実施状況について見ていきます。
回答者の7割強がテレワーク・在宅勤務を実施中
■テレワーク・在宅勤務状況を教えてください
(n数 = 2956)
これによると、回答者の大半である72%がテレワーク・在宅勤務を実施中であることがわかります。
大半がテレワークとオフィス出社を組み合わせた働き方を実施
回答者の大半である72%がテレワーク・在宅勤務を実施と紹介しましたが、フルリモート勤務者は少数派のようです。
■営業日の中で、どれくらいの頻度でオフィスに出社されていますか
(n数 = 2956)
上のグラフは出社頻度に対する回答結果です。
これによると、出社頻度は「毎日」が3割(30.6%)で最も多く、次いで「週3~4回(23.9%)」「週1~2回(19.6%)」「まったく出社していない(13.4%)」と続いています。
まったく出社していない方は一定数いるものの、大半はテレワークを行いながらも、週1回以上はオフィスに出社する「ハイブリッドワーク」を実践していることが明らかになっています。
ハイブリッドワークならではの不満が増加
次に、テレワーク・在宅勤務の課題に関する調査結果について見ていきましょう。ここではPCに関する内容に的を絞ってお伝えします。回答者はお使いのPCのどのような点に不満を持っているのでしょうか?
■テレワーク・在宅勤務で使用しているPCに対する不満点を教えてください(上位10位まで)
※「特になし」は除いた結果です
(回答形式:選択式・複数回答)(n数 = 2956)
結果を見てみると、不満点の第1位は「画面が小さい」となっており、実に3人に1人が持っている不満となります。
また、「ACアダプターが大きい」「重い」「バッテリーの持ちが悪い」「かさばる。分厚い」も上位にランクインしています。このことから、多拠点で働くことが前提となってきたがゆえの、持ち運びの際の不満があることがわかります。
PCや周辺機器に求められる機能・特長とは
続いて、PCや周辺機器に求める機能・特長についての調査結果を見てみましょう。
移動時の持ち運びに便利な機能や特長への関心が高い
■テレワーク・在宅勤務で使用するPCに求める特長や機能をお選びください(上位10位まで)
(回答形式:選択式・複数回答)(n数 = 2956)
これによると、全体の約5割が求める特長として「大きな画面(52.6%)」「軽さ(49.5%)」を選択していることがわかります。
他には「コンパクトなACアダプター(38.6%)」「バッテリーの持ちが良い(34.7%)」「耐久性(33.5%)」「薄さ(30.5%)」が上位にランクインしており、移動時の持ち運びに便利な機能や特長への関心が高いことがわかります。
Web会議を想定した具体的な要望が多い
本調査では、より詳細なニーズの把握として、「テレワーク・在宅勤務時に、あると便利だと思うPCの特長や機能、周辺機器をご自由に記入ください」という設問も用意していました。こちらは任意での自由記述形式でのアンケートとなっており、500件近くの回答が寄せられました。
その内容を大まかに分類してみると、最も多く言及されていたのが「執務時に最適な椅子や机」。その他には「Web会議時のカメラやライト」「周辺機器との接続」「マイク」に関する声も見られました。
具体的には、「カメラの背景ぼかしや明るさ調整」といった機能への要望の他「広角カメラ」や周辺機器を同時接続できる「ドッキングステーション」「マイクのノイズキャンセリング」などが挙げられています。
このような調査結果をみてみると、持ち運びを想定した要望の他にも、Web会議を快適にする機能への言及が多いことがわかります。
今後のテレワーク実施予定や実施意向について
最後に、今後のテレワークの実施予定や実施意向についての調査結果を見ていきます。
テレワークを継続しつつ、オフィス出社回数が増える
■今後のテレワーク・在宅勤務の取り組み状況を教えてください
(n数 = 2956)
これによると「テレワークを積極的に実施中であり、今後も継続」が約43%と大半を占めています。一方で、約3割が出社回数増と回答(「出社割合が増える(19.5%)」あるいは「ほぼ毎日出社に戻る(12.1%)」)しており、先述した出社回帰の傾向は引き続き高まっていく様相です。
ただし今後も、新型コロナウイルス感染拡大の状況に配慮しながら、オフィス出社とテレワークの比率を検討していくことが重要な課題と想定されます。
約4割の回答者がハイブリッドワークの実践を希望
■今後どのような働き方を実践していきたいでしょうか?
(n数 = 2956)
これによると、回答者の約4割(38.4%)は「ハイブリッドワーク」として、オフィス出社とテレワークによる柔軟な働き方を希望していることがわかります。
よって、これらの結果を業務用PCという観点で捉えると、今後はハイブリッドワークが主流となり、それにフィットした持ち運びに適したPCへのニーズが益々高まることが推察されます。
テレワークとオフィスワーク双方での働き方を支えるPCであることが重要
アンケート調査結果をご覧いただいたとおり、今後の業務用PCに求められる条件が浮き彫りになってきました。
まずは、テレワークとオフィスワーク双方での働き方を支える必要があります。PCを頻繁に持ち運ぶことから、なるべくコンパクトで、軽く、薄いといった携帯性が重視されている一方で、作業のしやすい「大きな画面」も求められており、双方を満たすPCが理想的です。
さらに、Web会議でのコミュニケーションを円滑にする、カメラやマイクの機能・性能も必要です。別売りの周辺機器を外付けすることでも対応できますが、その分コストもかかり荷物がかさばるため、可能であればPCのみで対応できることが望ましいでしょう。
コロナ禍を契機に私たちの働き方は大きな変化を迫られました。今後ますます、テレワークとオフィス出社を組み合わせたハイブリッドワークに切り替わることが想定されています。このハイブリッドワーク時代におけるPC運用について興味のある方は、以下の関連記事もチェックしてみてください。
■ アンケート名称
テレワーク・在宅勤務に関するアンケート
■ 有効回答数(n数)
2956件
■ 実施期間
2022年4月8日~2022年5月13日
■ 調査方法
自社調査(Webで実施)*
*メールマガジンやオンライン広告を用いてのアンケート調査