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「若いうちはがむしゃらに仕事をしたほうがよい!」は本当か?働き方改革の疑問に答えます!

執筆者:堀江 咲智子

「若いうちはがむしゃらに仕事をしたほうがよい!」は本当か?働き方改革の疑問に答えます!

ワークライフバランスのコンサルティングを行う中で、「働き方改革をやります!」というと、管理職世代の方、また若手層から「若いうちは、がむしゃらに仕事をする時期も必要なのではないですか?」というご質問をよくいただきます。

今回はこの疑問について考えてみたいと思います。

疑問を投げかけたくなる背景

まずは、そういったことを言いたくなる背景を探ってみましょう。

管理職世代には、自らの成功体験から、成長のためにわき目もふらず働いていた時期をお持ちの方が多くいらっしゃいます。

一方若手は、そんな成長体験を武勇伝として聞いたことで、なんとなく手段を問わず長時間働いた方がいいのかなぁ…という思いがあるように感じます。また、学生時代の部活動や論文作成プロセスで、がむしゃらに努力したことが実った成功体験があると、それをもう一度やれば成功が待っていると思っていることもあります。

それぞれの成功体験をどう生かせば、働き方改革においてもスムーズに成果を出せるのでしょうか。

管理職層の成功体験は、現在置かれている状況と違うことを整理する

現在の40〜50代がかつて若手だったころ、つまり20年ほど前のコミュニケーションの手段は、メールよりも、電話やFAX、紙、何より対面でということが重視されていた時代でした。数値の集計も、エクセルではなく、そろばんや電卓を使いこなすほうが早いという方も多かったと思います。代替手段も少なかったため、どの手段を使うにもある程度の時間を要しました。逆に言えば、時間をかければかけるほど、できることは増えたとも言えるでしょう。

営業の仕事であれば、他の人よりも1件でも多く顧客を訪問して、話をすることが成果に結びつきやすかったことも、現在では、単に情報を届けるだけであれば、E-mailを一斉に送れば済むということも多くなってきました。数値の集計にしても、一つ一つを手計算するより、エクセルの関数をいくつか知っていれば、圧倒的に早く処理することができるようになりました。

また、当時の人件費は現在よりも安く、かけた人件費よりも売り上げの増分が多ければ、たくさん時間をかけたほうが企業の業績が高かったのです。ちなみに、東京都における最低賃金は、20年前の平成9年では679円、平成29年現在は958円と、およそ1.4倍まで高まっています。(厚生労働省東京労働局ホームページより)

最低賃金だけで比較できるものではありませんが、人件費と最低賃金が同様に推移しているとすれば、人件費も高騰していることは想像できます。

20年前と比較して現在は、同じ時間を使った場合でもかけたコストは高くなり、成果を出す手段も増えているため、どの方法を選択すべきか、また業績をプラスにするためにかけられる時間は何時間までなのかを考える必要が出てきたのです。

若手層に対しては、コスト意識を持ってもらう

上記の通り、先輩や上司が持っている勝利の方程式が、現在は通用しなくなっていることを理解してもらいつつ、深みにはまって出られない時間、悩んでいる時間にもコストがかかっているということを意識してもらいます。

学生時代にがむしゃらに取り組んだことで成功した体験がある場合でも、会社では「時間=コスト」であるということをまずは認識してもらうことが大切です。かといって、考えることなくすぐ先輩や上司に答えを求めてくるようでは困りますよね。

そこで、まず初めに時間自律性を身に着けてもらうということを主眼に育成していきます。悩んでもいいですし、しっかり考えてもらいたいという思いは伝えながらも、何時間でも残業してでもずっとやっていていい、というわけではないということをきちんと伝えていきます。

例えばある書類を作ってもらうのに、3日以内に持ってきてという期日だけでなく、トータルでかけていい時間は3時間までだよ、と制限時間も伝えること。

また、10分悩んでよくわからなかったら、何がわからなかったかをまとめて、上司や先輩に相談するように、というように、具体的に行動のきっかけを伝えるとスムーズになります。「3時間しか使ってはいけない」と言われると、何にどのくらい時間を割いて完成させたらいいのか、計画を立てる習慣も身につきやすくなります。

さらにその結果に対して、上司や先輩から、フィードバックを受けると、結果を振り返ることもでき、次に同様の業務に取り掛かるとき、時間を見積もる精度がより高まります。上司や先輩は、仕事の仕方を教えるだけでなく、時間の使い方についてもフォローしていく必要があるのです。

無制限に時間をかけてがむしゃらにやるというより、時間を区切って計画を立て、その結果をきちんと振り返るという努力の方向に切り替えることで、生産性を向上することができます。

「効率を高めてもやっぱりたくさん働きたい!」という人は…

「効率を高めてもやっぱりたくさん働きたい!」という人は…

それでもやっぱり仕事がしたい、という人には、中長期的なキャリアを構築する上で、「今」身につけなければならないインプットは、本当に他にないのか?を考えていただくことをおすすめしています。長い社会人人生で、今の仕事しかできないようになるのではなく、得意分野を複数持つことは大きな強みです。

また、たくさん残業をして長時間働くことが、高い残業代を超える成果や結果に結びつくのかを考えることも重要でしょう。

本来ならば仕事は、定められた時間の中で、処理できる量が配分されているというのが理想です。繁忙期や突然のトラブルなどで一時的に業務量が膨れる時期があった場合でも、それはきちんと上長が業務として命じて(または部下からの相談により、上司が承認して)初めて残業して対応するという体制を作ることができれば、上司も本人も与える業務と時間はセットであるという認識が高まります。この「残業申告制度」は、なぜ残業になってしまっているのかを把握するためにも有効な施策です。

本当に集中して業務ができているか?疑ってみることも必要

業務内容、業務にかける時間に加え、時には集中力をきちんと維持できているか自分を観察してみることもよいと思います。弊社(株式会社ワーク・ライフバランス)は全社員残業禁止ですが、私が転職してきたばかりのころは前職時代の遅くまで仕事をしていた時よりも、時間に制限がある分、ずっと疲弊していました。

長時間集中することができるという人も、まれにいらっしゃるかもしれませんが、多くの方の集中力は有限です。集中できないなと思ったとき、気持ちを切り替える方法を見つけておくことも、生産性向上のやり方の一つです。

長時間がむしゃらに働くことが「成果」ではない

こう考えると現代の「がむしゃらに働く」とは、手段を問わず長時間働いて「成果」を出すということではなく、その半分の時間で同じ「成果」を出せるような手段を考えながら働くことではないでしょうか。

そして、業務時間外に人に会って刺激をうけたり、自身に磨きをかけるため学びの時間をとることが、社会人としてさらなる成長につながるのではないかと思います。

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