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「働き方改革EXPO 2019」レポート!テレワークとペーパーレス会議の効果を最大化するツールを紹介

「働き方改革」という言葉が社会に根を下ろしてきましたが、その流れはますます加速しています。大企業が先行して取り組んでおり、より効率化や多様化を目指して改善する一方で、中堅企業も大企業の事例を参考にしながら自社に見合った制度やツールの導入している真っ只中と言えるでしょう。

その中でもテレワークとペーパーレス会議は、働き方改革の代表的な取り組みと言えますが、デジタル技術の発展とともにさらなる進化を遂げています。

今回は、2019年5月29~31日に開催された「働き方改革EXPO 2019」を取材。さまざまな最新ソリューションがあるなかでも、代表的な制度となりつつあるテレワークとペーパーレス会議を1歩前進させるソリューションを紹介します。

働き方改革ソリューションが一堂に会する一大イベント

今年で6回目を迎えた「働き方改革EXPO」は、「テレワーク支援」「会議ソリューション」「ワークプレイス構築」「RPA・業務自動化」など多岐にわたる働き方改革に関連するサービスが展示される一大イベントです。

近年は特にRPA、SaaSなどデジタルテクノロジーの進歩による課題解決が顕著になっています。さらに今年のトレンドを挙げると、企業ニーズをより深く理解したソリューションが増えていることです。

フリーアドレスを例にすると、以前は「導入」に対する課題解決が目立ちましたが、導入したものの「生産性向上の実感がない・機能しない」などの課題解決に変化していました。生産性向上を促すオフィス家具やフリーアドレスのオフィスレイアウトのコンサルティングなど、制度導入後、さらに業務効率を向上するための施策を模索しているフェーズになっていることが理解できます。

今回はその中でも、すでに普及が進んでいるテレワークやペーパーレス会議が直面する課題の解決を期待できる2 つのソリューションを紹介します。

テレワークにはデータの保護と通信の保護が必須

PCを社外に持ち出すのが前提のテレワークには、セキュリティ上にどのようなリスクがあるでしょうか? VAIO株式会社ソフト&ソリューション開発部ソリューション課の瀧川氏はテレワークのセキュリティについてこう語ります。

瀧川氏「テレワークではセキュリティ、中でも『情報漏えい』が大きなリスクになります。そのリスクは大きく『社外に持ち出すことのリスク』と『社外でネットワークにつなぐリスク』の2つに分けることができます。社外にPCを持ち出すリスクはさらに盗難、紛失、のぞき見に分解できます。のぞき見に関しては、保護フィルムなどで物理的に防止することができますが、盗難と紛失に関してはデータを保護する対策が必要です。またテレワークでは、インターネットや社内ネットワークに繋ぐ必要があります。不用意にネットワークに繋ぐと盗聴、ウイルスの感染、侵入というリスクに侵されます。その際に必要になるのが通信の保護です」

瀧川氏は、データ保護に関する対策として一般的なシンクライアント化を挙げ、そのメリット・デメリットを説明。

瀧川氏「シンクライアント化のメリットは、データがPC上に全くない状態になるという点です。万が一にもPCが盗難されても非常に安全です。デメリットはシステム構築にとても負担がかかること、PC単体にはデータがないので、必ずネットワークに接続する必要があることです」

続いて、瀧川氏はファットクライアントの状態でセキュリティを強化する方法を紹介。

瀧川氏「シンクライアント、ファットクライアント共にデータを保護しつつ、PCと外部との接続を担う通信の保護を進める必要があります」

従来はシンクライアントや仮想デスクトップなどが一般的でしたが、最近はファットクライアントで対応している企業も多くあります。シンクライアント、ファットクライアントともに一長一短であることを上記の図とともに説明します。

瀧川氏「ファットクライアントの場合、最近では多重防御という考え方が一般的になっています。多重防御というのは、まずは予防をしましょう。そのうえで万が一のことがあった場合は水際ギリギリのところで阻止しましょう。それでも漏洩しそうになった場合は被害を最小化しましょう、と段階を分けて対策する手法です。その中で、PCと外部との接続を担う通信の保護を進める必要があります」

それでは、通信のセキュリティ対策はどのようにすればよいのでしょうか。

セキュリティと快適を両立する「VAIO Secure SIM™」

瀧川氏「通信の保護に関する対策はVPNや閉域網接続などのリモートアクセスソリューションが挙げられます」

VPNは、「仮想の専用回線(Virtual Private Network)」のことで、データを暗号化することでインターネット上に仮想の専用線を設け、安全なルートを確保しながら、ネットワークに接続できます。

閉域網接続とは、インターネットとは隔離された通信経路(物理的な閉域)でモバイル端末と企業のLANをつなぎ、LTE回線からリモートアクセスする通信システムです。VPNよりも高いセキュリティが確保でき、認証も自動で行なわれるため、利便性が高くなります。

瀧川氏「VPNは安全なネットワークを確保でき、通信内容が外に漏れることを防げますが、管理者/ユーザー共に運用に手間がかかります。閉域網接続はセキュリティ面ではセキュアですが、LTE回線しか使用できず、利用シーンが限られたり、費用が莫大になる可能性があります」

このようにVPNと閉域網接続はメリット、デメリットがありますが、瀧川氏はVAIO株式会社が提供するVAIO Secure SIM™であれば、両者のメリットを兼ね備えていると語りました。

瀧川氏「今回紹介するVAIO Secure SIM™はLTE over IPという次世代の通信コアテクノロジーを使っており、ログインするとどこでもオンラインで安全な環境に繋がる世界を実現しています。LTEは、データをSIMごとにひとつひとつ管理するため、非常に安全な環境です。LTE over IPはIPネットワーク上にLTEと同様のセキュリティが確保でき、データの暗号化をしっかりしています。公衆Wi-Fiに繋いでも安全な環境のまま通信が可能です。そのため、通信費のコストダウンに繋がります。また、通常のSIMカードは取り出すことができるため、盗難、紛失の恐れがありますが、VAIO Secure SIM™はPCの中にSIM情報が格納されているので、ユーザーが取り出すことは不可能です 」

既存のリモートアクセスソリューション(VPN、閉域網接続)とVAIO Secure SIM™を比較すると以下になります。

  インターネットVPN接続 閉域網接続 VAIO Secure SIM™接続
なりすまし
認証方式による

SIM認証

SIM認証
(SIM盗難対策あり)
盗聴
仮想閉域接続

完全閉域接続

仮想閉域接続
端末感染
ユーザー次第

通信経路固定

自動接続
接続の手間
接続作業必要

接続作業不要

接続作業不要
管理のしやすさ
認証要素の管理

SIM管理

SIM管理
利用回線
任意回線

LTE回線のみ

任意回線(自動切換)
海外利用
公衆Wi-Fi利用可

ローミング必要

公衆Wi-Fi利用可
通信費用 $~$$$
*認証方式や利用回線による
$$$
パケット代割高
$$

テレワークは、多様化する働き方を進めるうえで欠かせない制度ですが、セキュリティ上のリスクでなかなか実現できていない。もしくは、実現できているものの快適な環境ではない、といったケースもあるでしょう。

通信費用はVPNと同程度、安全性は閉域網接続と同程度のVAIO Secure SIM™を導入し、快適かつ安全なテレワークを実現できるはずです。

※編注……LTE over IPとは、Wi-FiなどのIPネットワーク上でLTEと同じプロトコル(コンピューター同士が通信をする際の手順や規約などの約束事)を使用し、LTEの端末認証をはじめとした各種機能が利用できる技術です。

議事録が不要になる真のペーパーレス会議とは

社内の働き方改革を進めるにあたって大きな壁になるのが「会議」です。資料・議事録の作成、スクリーンの設置など、会議の準備には無駄な時間がたくさんあります。VAIO株式会社がベンキュー ジャパン株式会社と共同で開発したのが、電子黒板「VAIO Liberta®」です。開発担当者・Jimmy Fan氏のミニセミナーでは、ペーパーレス会議の推進方法について解説しました。

Jimmy氏:「おそらくどんな会社でも、会議自体を完全になくすことは難しいでしょう。しかし、効率的で無駄のない会議を行うことで働き方改革を推進できます。我々の考える理想的な会議とは、次の4つを兼ね備えています。『いつでも、どこでも参加できる』、『議事録を取らなくても済む』、『必要な情報をすぐに調べることができる』、『会議後の情報共有が簡単にできる』。以上の4つを実現できるのが、VAIO Liberta®です」

電子黒板とは、インタラクティブ・フラットパネルとも呼ばれ、PCやタブレット端末のデータをディスプレイに映し出し、画面に直接書き込めるデバイスです。

Jimmy氏:「この電子黒板があれば、画面に書いた手書き文字をテキストデータに変換してくれます。また、書き込んだ資料をその場ですぐに共有することも可能なので、議事録を取る必要がありません。調べたいことがあれば検索して、画面に映し出せます」

プロジェクターでは映し出された映像に直接書き込むことができませんが、電子黒板であれば、紙の資料のときのようにペンで書き込むことができます。

Jimmy氏:「特にVAIO Liberta®は充電不要で防水性のあるペンを採用しており、ペアリング(デバイスとデバイスの接続)の必要がありません。またプレゼン内容を録画するビデオ機能も備わっています。画素数は4Kに対応しており、高解像度できれいな画面を映すことが可能です。会議の準備・設定に必要なボタンもすべて前面に設置しているので、快適に使用できます」

会議のペーパーレス化は印紙代等のコスト削減だけでなく、従業員の業務効率化に繋がります。PCのみを用いた会議も可能ですが、会議中パソコンでメモを取ることに気を取られてしまい、肝心の内容が疎かになったり、会議の密度が薄くなることもあります。その場で書き込んだ情報をすぐに共有できる電子黒板であればメンバー全員が顔を上げて会議に参加することができるため、会議の質の向上にも繋がるでしょう。

働き方改革はツール導入で大きく推進できる

働き方改革というと「制度」や「ルール」に目が行きがちですが、「ツール」の導入に着目することも重要です。もちろんフリーアドレスや残業時間規制など制度の変化は、多様な働き方を推進するために必要不可欠です。しかし、従業員への理解や企業文化へのフィットなど浸透に時間がかかります。そのため、同時にツールの導入も働き方改革を進める必要があります。

これまではデジタル人材が少ないなどの理由で運用面に不安が残り、積極的に導入できない企業もあったはずです。しかし、デジタル技術は日進月歩です。いまでは導入するだけで大きな効果をあげるツールも次々と登場しています。

「働き方改革EXPO 2019」では今回紹介したツール以外にも、健康経営に考慮したオフィスチェアや、業務を効率化・自動化するRPAなどのブースが数多く出展されていました。働き方改革の波に乗り遅れないためにも、ぜひこれらのソリューションの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Photo by 岡田晃奈

働き方改革最新事情

いよいよ働き方改革は”法律”

2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されています。
ここ数年、世間では「業務効率化」「生産性向上」「デジタル化」などと叫ばれてきた一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
なぜ働き方改革が必要なのか?またどのように進めていけばいいのか?
改めて今後の「働き方改革」に迫っていきます。

  • いよいよ働き方改革は”法律”
  • ”2025年の崖”とは
  • 2025年までに迎える代表的なDX
  • 中小企業はデジタル化が遅れている
  • 育児や介護をしながら働ける現場つくり

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一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
なぜ働き方改革が必要なのか?またどのように進めていけばいいのか?
改めて今後の「働き方改革」に迫っていきます。

主な内容

  • いよいよ働き方改革は”法律”
  • ”2025年の崖”とは
  • 2025年までに迎える代表的なDX
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