組織

スカイライト コンサルティングの自主自律のカルチャーを支えるITツールとサポート体制(後編)

スカイライト コンサルティングの自主自律のカルチャーを支えるITツールとサポート体制(後編)

前編では、スカイライト コンサルティングが自主自律のもと、時間に縛られない自由な働き方を実践していることを紹介しました。後編では、コミュニケーションを円滑にするITツールと、個々のスキルアップを図るサポート体制について紹介します。

【前編】自律的な働き方で順調に成長。スカイライト コンサルティングが、創業時から守り続けているカルチャーとは

お話をお伺いした方

中澤 竜馬氏
スカイライト コンサルティング株式会社 取締役

林 俊輔氏
スカイライト コンサルティング株式会社 マネジャー

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情報の共有と社員の多様性を支えるITツールの導入

スカイライト コンサルティング株式会社(以下、スカイライト)のコンサルタントは、常駐先で仕事をする時間が大半を占めます。地方や海外でプロジェクトを担当するコンサルタントもおり、四半期に一度程度しか自社に出社できないこともあるほどです。そのため、複数のITツールを導入し、コンサルタントが会社にいなくても業務に支障がないように工夫しています。

「外部にいても容易かつセキュアにメールやスケジュール管理ができるようにと、2010年ころから、『G Suite』というクラウドサービスを活用しています。スケジュールは、社長を含めて共有されており、打ち合わせをしたければ誰でも予定を入れられます」(中澤、以下敬称略)

最近は、社内でスケジュールを共有する企業が増えています。ところが、社長や役員がそこに含まれていないことも多いため、社長に報告すべきことがあってもメールで予定を聞く必要があり、時間のムダが発生しがちでした。スカイライトのように、コンサルタントの勤務地が1ヶ所ではない環境では、全員のスケジュールが一目でわかる仕組みは必須となります。今後はさらなる利便性の向上のため、G Suiteの拡張サービス「rakumo」を導入する予定だそうです。

林 俊輔氏 スカイライト コンサルティング株式会社
林 俊輔氏(スカイライト コンサルティング株式会社)

「月に一度、全社会議を開いていますが、常駐先の業務との兼ね合いで、全員が参加することはできません。そのため、『WebEx』というWEB会議システムを使って遠隔から参加することを可能にしています。」(林)

スカイライトに限らず、会議時間の1~2時間なら時間を空けられるが、移動時間を含めると難しいというケースはよくあります。とはいえ、参加しなかったから情報が得られないという状態では、業務に支障が出てしまいます。社員の多様性を否定せず、それを支えるツールを導入することが重要なのです。

同じ場所にいないことを前提としたコミュニケーションツール

クライアント先への常駐のため、社員全員が顔を合わせる機会は多くありませんが、社内のコミュニケーションは活発に行われています。

「会社に戻って来られないことを前提に、コミュニケーションを活発化するにはどうするべきかと考え、様々な工夫をしています。例えば、以前から作っていた『社員図鑑』をさらにバージョンアップしてオンライン化しました。また、社内ブログや社内SNS、掲示板、メーリングリストなど、あらゆるものを使って親睦を深めています。」(林)

「社員図鑑」とは、社員一人ひとりの顔写真と名前、趣味、関心テーマなどをデータベース化したものです。これまでどのようなプロジェクトに参加してきたのかという情報だけでなく、コンサルタントの人となりが分かる内容になっており、親近感や仲間意識を持つことができます。顔を合わせる機会が少ないからこそ、もっと人間らしい部分を伝えたいと考えた社員の有志が構築することになったと言います。

最近では、チャットボットの技術にも取り組んでいます。知りたいことを書き込むと、自動的に関連情報を表示して、趣味が同じ人などを探しやすくなることを目指しています。

中澤 竜馬氏 スカイライト コンサルティング株式会社
中澤 竜馬氏(スカイライト コンサルティング株式会社)

「チャットボットに取り組んだのは、新人コンサルタントたちです。最近のコンサルティングには、ITのスキルが欠かせません。『最新の技術を身に付けるには何をすればよいか』というテーマで取り組み、チャットボットに行きつきました。他の社員をクライアントに見立て、ニーズを聞くことから始めています。」(中澤)

この取り組みは、新人にとってはコンサルティングの模擬案件になるだけでなく、最新技術の習得にもなります。一方で、他の社員はチャットボット導入により便利さを享受できるという側面があります。こういった、双方の役に立つ仕事を喜ばれながら実施できる環境づくりが、スカイライトの仕事の楽しさにつながっています。

知のインデックス作りのため、資料をサーバー上で共有する

コンサルタントと言えば、ナレッジを駆使してプロジェクトを成功に導くイメージがあります。そのナレッジの蓄積はどのようにしているのでしょうか。

「プロジェクトのインダストリーや業務プロセス、適したシステムなどをまとめているチームがあります。社内のファイルサーバーで社員が閲覧できる仕組みを作っています。」(中澤)

類似案件の着眼点や工程を知ることが、大きなヒントとなることがあるため、情報共有はとても重要です。

「共有の仕組みは大切ですが、プロジェクトは1つとして同じものは存在しないため、過去の資料をそのまま使うことはまずありません。むしろ、担当にコンタクトして、プロジェクトの状況や課題をディスカッションすることが多く、資料の共有は誰に相談すればいいかを知るきっかけ作りという側面も併せ持っています。言わば、知のインデックス化がされている状況です。」(林)

働き方改革に取り組む中で、ナレッジの共有に創意工夫を凝らす企業は多くあります。しかし、ナレッジ共有のために多くを資料化しようとするあまり、その作成に時間をとられてしまったのでは、効率が下がってしまいます。「知のインデックスを作る」という目的のために情報共有のための情報共有のための資料の在り方を明確にしているところも、スカイライトが長年かけて効率化に取り組んできた表れでしょう。

プロジェクトを疑似体験する「勉強会」と共に学びあう「ゼミ」

スカイライトでは、コンサルタントがプロジェクトで身に付けた知見を、他のコンサルタントが疑似体験するための勉強会を実施しています。

「プロジェクトが終わった後、そこで得られた知見を他者に共有するのが勉強会です。伝えることは頭の整理や体系化につながるので、若手が講師となることを奨励しています。聞き手も聴講してディスカッションすることで疑似体験になりますし、その課題に対してどう動けば、どんな結果になるのかが分かるようになります。」(中澤)

年に10回ほど行われる勉強会には、10~30人のコンサルタントが集まるそうです。実はこの勉強会も、「必ずやらなければならない」というものではないし、「いつまでにやりなさい」と指示を受けることもありません。そのため、開催時期も不定期です。

プロジェクトを疑似体験する「勉強会」と共に学びあう「ゼミ」さらに、ゼミと呼ばれる社員の集まりがあります。半期に一度、特定の議題を一緒に学びあう仲間を募り、自主的に見識を広めるものです。毎回7~8のゼミが企画されており、多くが2週間に1度ほどのペースで開催されています。

「テーマはAIやRPA、世界史など、さまざまなものがあります。中でも人気なのが出版社に出向しているコンサルタントが講師として指導している『日本語ゼミ』です。このゼミに参加すると、文章作成のスキルをアップさせて帰ってくるとマネージャーからの評判も良く、社内でも表彰されています。コンサルタントの業務には、メールや報告書の作成など、文章に接する機会が多いこともあり、実務的な効果が得られるゼミとして人気が高いのです。」(中澤)

130名の従業員の中には、地方にいるコンサルタントもいますが、その状態で7~8のゼミが開催されています。意識の高いプロ集団だからこそ、自己成長にも積極的に取り組むということでしょう。個の力を高めあうことで、会社が成長していくサイクルがここにはあります。

事業規模が拡大してもカルチャーを守り抜く

ワーキングスペースの壁面には、スカイライトのスローガンが
ワーキングスペースにはスカイライトのスローガン

これまで、スカイライトは独自のカルチャーを守り抜いてきました。今後、事業規模の拡大により社員数が増えても、創業時から続くカルチャーを守っていきたいと言います。

「フレキシブルで自主自律の雰囲気を継続させることが、私たちの挑戦でもあるのです。」(中澤)

さまざまな企業の課題解決を通して、創業時から順調に業績を伸ばしてきたスカイライト コンサルティング。今後、事業規模が大きくなろうとも、自主自律のカルチャーのもと、高いパフォーマンスを発揮し続けていくでしょう。働き方改革を一過性のものにせず、カルチャーとして根付かせたい企業にとって、学ぶべきところが多いのではないでしょうか。

働き方改革最新事情

いよいよ働き方改革は”法律”

2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されています。
ここ数年、世間では「業務効率化」「生産性向上」「デジタル化」などと叫ばれてきた一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
なぜ働き方改革が必要なのか?またどのように進めていけばいいのか?
改めて今後の「働き方改革」に迫っていきます。

  • いよいよ働き方改革は”法律”
  • ”2025年の崖”とは
  • 2025年までに迎える代表的なDX
  • 中小企業はデジタル化が遅れている
  • 育児や介護をしながら働ける現場つくり

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一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
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主な内容

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