働き方

中小企業こそ取り組むべき働き方改革とは – ワークライフバランスの専門家に聞きました

執筆者:堀江 咲智子

今、「働き方改革」を新聞やテレビで見ない日はありません。多くの報道は大企業を中心に扱っていますが、だからと言って「働き方改革」は大企業だけがやればよい、中小企業には関係ない、というものではありません。中小企業で実際に働き方が大きく変わった!という事例も多くありますし、むしろ中小企業のほうが、大企業よりも取り組みやすい利点もあります。また、中小企業実態基本調査によると、労働生産性の水準が高い企業ほど、企業業績が良好という結果も出ています。

本記事ではなぜ中小企業こそ、働き方の見直しが必要なのか?という疑問に、お答えします。

中小メーカーの経営者の家に生まれて

私は現在、株式会社ワーク・ライフバランスで、コンサルタントとして日々全国の企業様の働き方改革のお手伝いをしております。もともとは、中小企業の工場の生まれで、父は写真の現像機の製造業を営んでおりましたが、写真のデジタル化に伴い、業務用の現像機のニーズは徐々に少なくなり、現在は廃業に至っています。

その廃業するプロセスを間近で見た感想は、「時代の動きがどんどん早くなっている。ニーズをとらえられない商品やサービスは、あっという間に廃れていく」というものでした。

私たちの生活は、技術の進歩に伴い、大きく変わっていっています。インターネットが浸透するにつれ、目まぐるしく変わっていく消費者の嗜好に対応する速さがますます求められています。

あなたの会社にイノベーションはあるのか

自分たちの商品や、サービスがいつ陳腐化するかもわからないという状況にどう対応していくか? まさにその答えが働き方改革にあります。

新しい商品やサービスを作るとき、または既存のものを改良するとき、あるいはそれらを提供するまでのプロセスをより良くしようとするとき、皆さんはどのようにニーズを予測しているでしょうか。大多数のお客様が期待していることは、すでに実施検討しているか、技術的・予算的にどうしても難しいというものが多いと思います。今までにはなく、ニーズにもあっていて、実現可能であるものというのは、なかなか見つけにくいものです。それを見つけ出すコツは、3つあります。

一つは、いつも「もっと良くしよう」という視点を心掛けること。二つ目は、いろいろな背景、趣味嗜好を持つ従業員を社内に取り込むこと。そして最後は、そのさまざまな従業員が活発に意見交換できるような企業風土を作ること。

「もっと良くしよう」という視点は多くの方がすでにお持ちだと思います。でも二つ目や三つ目はどうでしょうか。週7日のうち、5日は夜遅く帰宅し、帰りに飲みに行って、眠るだけという労働時間の長い企業での生活では、世の中の商品やサービスがどのように工夫をされているか体験することはできません。この「いろいろな体験をすること」と「もっと良くしようと考える視点」、そしてそれらを活発に議論して、一緒にいいものを作っていける「企業風土」が組み合わさることで、ふとした瞬間にアイディアがわいてくることがあります。

さらに、いろいろな体験を社員が持ち寄れば、その幅はもっと広がります。これこそがイノベーションの原点であると私は考えています。皆さんの会社には、イノベーションの原点は、どのくらい生まれているでしょうか。

働き方改革で、筋肉質な組織を作る

働き方改革を実施すると、どんな変化が起こるのか?

何よりも、従業員が生き生きと働くようになります。中小企業の何よりの財産は、「人」であるという企業も多く、多数の経営者が、人次第で企業の業績も大きく変わると考えています。

長時間労働をやめたから、明日からすぐに業績がうなぎ上りになるというわけではありません。しかし、少なくとも長時間労働から解放されることで、まず睡眠時間が確保され、体力が回復してストレスも解消していきます。その結果、徐々により高い充実感を求めて、社外の人に会いに行ったり、これまで読めなかった本を読んでみたり…情報収集を始めていきます。こうした行動が、一人一人の「体験」につながっていくのです。

また、働き方改革を進める際は、従業員が自ら考え、実行する組織にしていくことが欠かせません。社長や管理職があれやこれやと細かく指示するのではなく、権限委譲を進め、自ら学習する組織にしていく必要があります。すると、社長や管理職が本来取り組まねばならない業務である「決断」や 「マネジメント」に、時間と労力を割くことができるようになります。これこそが今後、勝ち組となっていく筋肉質な組織です。

長時間働くことに価値を見出していた人が、みんなに定時退社を勧める人に!!

働き方改革に取り組んだ企業のメンバーが、自分たちの取り組み成果を発表し、会社をより良くするための提案を行う報告会の場では、私たちも驚くような変化を目にします。例えば、ある企業では50代の男性社員がこんな言葉を投げかけてくださいました。

「この年になって、働き方を変えるというのは無理だと思っていました。長時間労働は、お客様のためでもあり、会社のためだと思っていたというのもあります。でもこの取り組みを通してチームに頼ることができるようになりました。労働時間が減ってきた実感もあります。自分の時間も増えました。半信半疑の皆さんも、ぜひ取り組んでください。これからの人生がもっと充実すると思います」

こんな声をたくさん聞くことができるのは、まさにこの取り組みの醍醐味だと思っています。

変化が速いのが中小企業のメリット

さて、働き方改革には、いろいろとメリットがあることをここまでご紹介してきました。

ここで一つ、進めていくにあたり重要な点をお伝えします。働き方改革には、トップのコミットメントが欠かせない、ということです。中小企業においては、従業員とトップの距離が近く、トップの姿勢が大きく影響します。大企業ではトップが号令をかけても、その伝わり方は様々です。大きく意欲を高める人がいる一方で、トップの真意を探ったり、本気度を確かめたりする人もいて、全体が動き始めるまでには時間がかかりがちです。

中小企業では、一人一人ときちんと向き合って、働き方改革を本気でやろうと思っている、というメッセージを伝えることも可能です。働き方改革の手法ももちろん大切ですが、それ以上に、全従業員がやる気になっている状態をいかに早く作れるかということが非常に重要になってくるのです。

履歴書が殺到するスモールカンパニーとは

厚生労働省が労働基準法に違反した企業を公表することにしたことで、今後、いわゆる「ブラック企業」と「ホワイト企業」の採用希望者数の差は、ますます開いていくことになるでしょう。中小企業においては、いかに早く先進的なホワイト企業になるかが、良い人材を集めるカギとなり、ひいては死活問題になっていきます。多くの企業がまだ二の足を踏んでいる状態だからこそ、いち早く取り組むことで先行者利益を得ることができるのです。

社会のニーズが多様化している中で中小企業が生き残っていくためには、従来の長時間労働を中心とした働き方から脱却することが必要です。皆様の会社でも働き方改革に本気で取り組んでみませんか?

VAIOが提案する働き方改革

関連記事

intel CORE i7
インテル® Core™ i7プロセッサー
Intel Inside® 圧倒的なパフォーマンスを

Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Core Inside、Intel vPro、vPro Inside、Celeron、Celeron Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、Xeon、Xeon Phi、Xeon Inside、Ultrabook、Iris は、アメリカ合衆国および/またはその他の国における Intel Corporation の商標です。

※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。