組織

モリサワ×VAIO トップ対談(前編) デジタルコミュニケーション時代のビジネスは、 “文字”が切り札になる

2018年11月13日、VAIO®の2in1 PC「VAIO® A12」の発売にあわせて「MORISAWA BIZ+」のクーポンプレゼントが開始されました。これにより、国内大手フォントメーカのモリサワが開発した「読みやすく」「伝わりやすい」ユニバーサルデザインフォントが1年間無料で使えるようになり、すでに多くのユーザー様から好評をいただいています。
※クーポン配布は2019年8月1日現在終了いたしました。

参考URL:https://vaio.com/campaign/morisawa/

そしてこの度、 2019年1月17日に発表を迎えた新モデル「VAIO® SX14」においても同サービスの適用が決定。このリリースを記念して、フォントとモバイルPCという分野で、それぞれに独創的なものづくりを展開してきたモリサワとVAIO、両社の代表が対談を行いました。

森澤 彰彦(写真右)
株式会社モリサワ 代表取締役社長

吉田 秀俊(写真左)
VAIO株式会社 代表取締役社長

デジタルによるコミュニケーションがあらゆるビジネスに広がりを見せる今、フォントの活用は、ビジネスの新たな切り札になる。両社の取り組みは、そんな可能性を示唆しています。

文字にも、ユニバーサルデザインという視点を

吉田:モリサワさんのご協力を得て、VAIOの対象PCでユニバーサルデザインフォント(以下、UDフォント)を一年間無償でご利用いただけるサービスが実現しました。私はこのことを、とてもうれしく思っています。

森澤:私たちも、VAIOさんとご一緒させていただけることを、たいへん光栄に思っています。モリサワのビジネスは、もともとは印刷や出版向けの“プロが使う文字”としてスタートしました。しかし昨今、紙だけではなくPC・タブレット端末でWebサイトを閲覧したり、ビジネスソフトを使ってドキュメントを制作したりと、様々な場面で「文字」というものが重要性を増しています。私たちがつくる文字というのは、これまでも読みやすく、可読性の高いものを目指してきたわけですが、健常者の方だけでなく、年齢を重ねて老眼になられた方や視覚障がいのある方にも「読みやすく」「伝わりやすい」文字を目指して開発したのが、UDフォントになります。

吉田:たいへん素晴らしいですね。誰でも見やすく、親しみやすいユニバーサルなフォントということで、早速ユーザーの皆様からも好評をいただいています。

森澤:読み書きが困難な障害をディスレクシアというのですが、英語圏では3〜12%の人にあると報告されています。文科省によると、日本ではディスレクシアや学習障害のある児童は4.5%とされています。 相当な人数ですね。すでにいくつかの教育機関や自治体において、UDフォントの導入が進み、様々な検証を通してその有効性が分かってきています。大阪医科大学のLDセンターとともに、読みに困難がある小学生を対象にして、読みやすさに関する検証を行ったところ、一般の教科書体に比べ「UDデジタル教科書体」がいちばん見やすい書体として、こどもたちに選ばれました。

森澤:ダイバーシティの時代といわれる今、企業経営においても、社内・社外の様々な方への配慮というものがこれまで以上に求められています。UDフォントが、そうした配慮へのきっかけの一つになれば、これほどうれしいことはありません。

吉田:いろいろな方がいらっしゃる中で、幅広く使っていただける「ユニバーサルデザイン」という視点を、フォントにも取り入れられたのですね。

森澤:私たちは「文字を通じて社会に貢献する。」という理念を掲げて、フォントやソリューションの開発に取り組んできました。一生懸命、読みやすい文字というものをつくってきたのですが、読みに困難さを感じている人が想像以上に多いことを知り、私自身も大きな衝撃を受けました。もっと広い範囲に目を向けて、皆さんが「どういうところでお困りなのか」を今一度見つめ直そう。そんな想いから、UDフォントのラインナップを拡充してきました。

モバイルPCとフォントは、強力なビジネスツール

吉田:VAIOが本社を構えている長野県安曇野市の本社工場では、ソニー時代から、PCだけでなくaiboなどのロボットやオーディオなど様々なものづくりを行ってきました。VAIOの第1号機も安曇野で生まれました。私たちは今、この地で培った数十年にわたる蓄積を法人向けモバイルPCに集中させて、「働き方改革」への貢献をテーマにものづくりに取り組んでいます。

吉田:モバイルPCとはビジネスツールであり、働く上での武器なのです。その武器を働く人へ渡すということは、経営者として大きな使命だと考えています。いつでも、どんな環境でも、快適に仕事ができる場をつくること。たとえば、カフェなどのホットスポットでも安心してネットワークにつながれるような、セキュリティの面でも堅牢なものをつくってきました。そこにモリサワさんのフォントが加わることで、さらにビジネスツールとしての力が高まったと考えています。ぜひ多くの皆様に、この強力なツールをお届けしたいと考えています。

森澤:UDフォントが法人向けのPCに搭載されることで、生産性の向上という面からも新しい価値を生み出せればと考えています。UDフォントは、非常に可読性が高いことから、健常者の方にとっても、読むスピードが上がるなどの効果が表れています。ビジネスとも非常に親和性が高いのですね。

吉田:生産性に直結するということは、とても素晴らしいですね。ビジネスでは、様々な場面でプレゼンもありますし、情報を紙にプリントアウトすることもあります。そうした時に、フォント一つでまったく見栄えが変わってしまう。あるいは伝えたいことが伝わるか、伝わらないか。文字がコミュニケーションを左右する場面はたくさんあります。モリサワさんの文字へのこだわりは、まさに私たちが目指す「働き方改革」への貢献に、合致するものだと感じます。

書体は、企業の「顔」となり、製品価値とブランドを高めていく

森澤:今回VAIOに提供させていただいている1年間無料クーポンでは、UDフォントがラインナップしている43書体、すべての書体をご利用いただくことができます。書体のことを英語で「Typeface」というのですが、分解すると「文字」と「顔」なんですね。この言葉が表しているように、文字というのは書体ごとに表情を持っているのです。たとえば、丸ゴシック体であればやわらかな感じ、明朝体であればしっかりとして礼儀正しい感じ、最近よく使われる「UD新ゴ」は、インパクトのある堂々としたイメージになります。

吉田:Typefaceという言葉は面白い。“印象”として視覚から入ってくるものがあるわけですね。

森澤:たとえば、家電のマニュアルなどは丸ゴシック体が多用されています。家電というのはやはり主婦の方々が中心的なユーザーとなることから、明朝体という堅苦しい文字ではなく、やわらかくて、分かりやすそうな文字が採用されているのですね。そう考えると、文字は製品やサービスの一部として活用されているわけですね。これからビジネスにおいて求められるのは、書体選びや文字の大きさ、レイアウトを含めた、受け手への配慮ではないでしょうか。

吉田:文字の扱い方によって、製品の付加価値を高めることもできる。とても興味深いお話です。

森澤:企業のブランディングやイメージ戦略にも、文字が活用されています。欧米の企業ではよくあることなのですが、会社で書体を独自につくることもあるんですね。Typefaceを統一することでブランドイメージを向上させていくという取り組みです。日本の企業でも、欧文や和文を独自にデザインする会社がいくつか現れています。

吉田:それだけ重要性があるということですね。ところで今、フォントというものは何種類くらいあるものなのですか。

森澤:モリサワでプロ向けに提供している「MORISAWA PASSPORT」というフォント製品があるのですが、オリジナルフォントと他社からライセンスをいただいたものも合わせると、この製品だけでおよそ1400種類にのぼります。

吉田:そんなにあるのですか。

森澤:はい、ございます。毎年新しい書体が生まれてきますし、ビジネスがグローバル化して多言語フォントへの対応も進んでいます。現在モリサワが提供しているもので、およそ170の言語をカバーしています。

吉田:それだけたくさんある中で、我々はどうやってフォントを選べばいいのでしょう。

森澤:やはり、シチュエーションによりますよね。目的が何なのか、どういった方々が対象となられるのか。たとえば、「必ず伝えたい情報」「注意を促したい文言」「さりげなく添えたい文章」など、目的にあわせて書体を使い分けていただくことで、情報の「伝わりやすさ」に大きく差がつくと考えています。

吉田:文字をレイアウトする時に、見栄えを良くしようとしてボールド(太字)を使ったり、斜めにしてみたり、色をつけたり、様々な加工をされる方もいらっしゃると思うのですが、そんなことをしなくとも、良いフォントというのは基本からしっかりしているのですね。

森澤:そうですね。おいしいお米にあまり味つけはいらないように、そのまま使っていただける書体を目指しています。文字というのは空気や水と同じ当たり前の存在であって、その空気がいかにおいしいか、その水がいかにおいしいか。文字が読みやすいか、伝わりやすいかということは、そのような尺度と同じであるという風に考えています。

4K液晶×UDフォント。後戻りできなくなるほどの、圧倒的な見やすさを

吉田:私たちは、ただ生産性を高めるだけではなく、働く人が快適になる「快」という字をとても大切にしています。液晶の見え方もそうですし、キーボードの打ち方、周辺機器との接続まで、様々なことに対してこだわりを持っています。非常に頑固でして、しっかりしたものしか、つくりたくない。そういう世界で一生懸命ものをつくってきて、今回モリサワさんからフォントをご提供いただきながら、さらに「快」を高めていけることが、一番ありがたいと思っています。

森澤:すこし古い話になるのですが、ワープロが全盛期の頃、24×24ドットの文字が出てきて、すごくきれいだとみんなが驚いた。その後36×36ドットのものが出てきた時、今までの24が何だったのだろうとなり、やがてアウトラインフォントが現れて、「ドット文字って、なんでこんなに見にくかったのだろう」という話になってしまった。やはり人間は、一度良いものを見てしまうと後戻りはできないのですね。そういう体験を、ぜひこのUDフォントでも体感していただければうれしいです。

吉田:パソコンの液晶も同じで、解像度が上がるほど見やすさが向上して、以前のものに戻れなくなる。よく似たところがあると思います。すでに2018年11月に発売した「VAIO A12」に加え、この度発表した14inchモデル「VAIO SX14」にもUDフォントを搭載させていただいています。新モデルでは4Kの高精細液晶パネルが選択可能になりました。モリサワさんのフォントの良さがさらに伝わるはずですから、ぜひ、新たに登場する4Kの液晶で、UDフォントの圧倒的な見やすさを体験していただきたいと思います。

森澤:私も先ほど4Kモデルを見せていただいて、すごく驚きました。

吉田:4Kの画面で、このフォントを扱えるのは素晴らしい。現時点で考えられる最高の文字かもしれませんね。

森澤:もう、後戻りできないかもしれません(笑)。

モリサワ×VAIOのトップ対談は、さらに続きます。後編は、それぞれの分野で独創的なブランドを築き上げてきた両社の「働き方」についてお届けいたします。ぜひ、あわせてご一読ください。

働き方改革最新事情

いよいよ働き方改革は”法律”

2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されています。
ここ数年、世間では「業務効率化」「生産性向上」「デジタル化」などと叫ばれてきた一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
なぜ働き方改革が必要なのか?またどのように進めていけばいいのか?
改めて今後の「働き方改革」に迫っていきます。

  • いよいよ働き方改革は”法律”
  • ”2025年の崖”とは
  • 2025年までに迎える代表的なDX
  • 中小企業はデジタル化が遅れている
  • 育児や介護をしながら働ける現場つくり

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いよいよ働き方改革は”法律”

2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されています。
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一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
なぜ働き方改革が必要なのか?またどのように進めていけばいいのか?
改めて今後の「働き方改革」に迫っていきます。

主な内容

  • いよいよ働き方改革は”法律”
  • ”2025年の崖”とは
  • 2025年までに迎える代表的なDX
  • 中小企業はデジタル化が遅れている
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