働き方

働き方改革助成金と職場意識改善助成金(テレワークコース)。2つの制度を解説(2017年版)

近年政府が注力している働き方改革を受け、生産性向上や働く環境の整備に力を入れている事業主や担当部署の方も多いのではないでしょうか。働き方改革を推進するには、長時間労働の是正といった残業時間の圧縮だけではなく、オフィス環境やITツールなどへの投資も必要です。とはいえ、「予算がなくてとてもじゃないけど無理…」という企業も多いことでしょう。しかし、ご安心ください。

働き方改革を推進する企業に対して、一定のルールをクリアすれば助成金が支給される制度があることをご存知でしょうか。今回はそんな制度の中でも代表的な「働き方改革助成金」と「職場意識改善助成金(テレワークコース)制度」についてご紹介します。

※本記事は2017年10月17日初掲載、2018年3月14日に一部内容・情報をアップデートしました。最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※職場意識改善助成金は、2018年から名称が「時間外労働等改善助成金」に変更になります。詳細が決まり次第改めてWork×ITでご紹介します。
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職場意識改善助成金(テレワークコース)制度について

概要

職場意識改善助成金(テレワークコース)は職場環境改善に向けてテレワークに取り組む中小企業事業主に、厚生労働省が助成金を支給する制度です。テレワーク用通信機器の導入や運用、就業規則や労使協定などの作成・変更を実施し、成果を上げた事業主に最大150万円が支給されます。

助成条件

支給対象は、次のいずれにも該当する事業主です。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主
  • テレワークを新規で導入する事業主
  • 労働時間等の設定の改善を目的として、在宅またはサテライトオフィスにおいて、就業するテレワークの実施に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主

※小売業の場合:資本金5000万円以下、常時雇用者50人以下
※サービス業の場合:資本金5000万円以下、常時雇用者100人以下
※卸売業の場合:資本金1億円以下、常時雇用者100人以下
※その他の場合:資本金3億円以下、常時雇用者300人以下

助成金支給額

■成果目標の状況が達成の場合
補助率:3/4
1人当たりの上限額 15万円
1企業当たりの上限額 150万円

■成果目標の状況が未達成の場合
補助率:1/2
1人当たりの上限額 10万円
1企業当たりの上限額 100万円

■対象経費になるもの
謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、 備品費、機械装置等購入費、 委託費

支給対象となる取り組み

助成金の支給対象になるには、以下いずれか1つ以上の実施が必要となります。

    • テレワーク用通信機器の導入、運用

    ※PC、タブレット、スマートフォンは支給対象外

    • 保守サポートの導入
    • クラウドサービスの導入
    • 就業規則、労使協定等の作成、変更
    • 労務管理担当者や労働者に対する研修、周知、啓発
    • 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング

    成果目標の設定

    支給対象となる取り組みでは、以下成果目標の達成を目指す必要があります。

    • 評価期間中、1回以上、対象労働者全員が在宅またはサテライトオフィスでテレワークを実施する。
    • 評価期間中、対象労働者が在宅またはサテライトオフィスでテレワークを実施した日数の週間平均を1日以上とする。
    • 年次有給休暇の取得促進について、労働者の年間平均有給取得日数を前年と比較して4日以上増加させる。または所定外労働の削減について、労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させる。

    評価期間

    設定した成果目標を達成できたかどうかは、事業実施期間(事業実施承認の日から2018年2月15日まで)の中で、1か月から6か月の間で設定する「評価期間」で判断されます。評価期間は申請者が事業実施計画を作成する際に自ら設定できますので、無理のない期間で設定しましょう。

    申請の受付は2017年12月1日(金)までとなります。支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、12月1日以前に受付を締め切る場合もあるようです。申請したい場合は早めに手続きをすませることをおすすめします。
    ※2017年度のお申し込みは現時点では終了しています。

    職場意識改善助成金(テレワークコース)制度について

    働き方改革助成金について

    概要

    公益財団法人東京しごと財団 雇用環境整備課が企業の働き方・休み方の改善に向けた取組を支援している助成事業。TOKYO働き方改革宣言をした企業に、最大40万円が支給されます。TOKYO働き方改革宣言企業とは、従業員の長時間労働是正や有給取得などの促進について、目標や取組内容を宣言し、全社的に取り組む企業などのことです。目標や取組内容を定めた宣言書を都に申請して決定を受ければ、一般社団法人、一般財団法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人といった組織でも利用が可能です。

    助成条件

    助成金の支給を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

    ■「TOKYO働き方改革宣言企業」として承認を得ていること。
    ■ 申請から実績報告にいたる期間中、「助成対象事業者の要件」を満たしていること。

    • 東京都で事業を行なっている
    • 都内に勤務する常時雇用者を2人以上、かつ6ヵ月以上継続して雇用しているなど

    ■ 新たに助成事業を実施し、助成要件を満たす利用実績が得られている
    ■フレックスタイム制度や短時間勤務制度など働き方の改善を行っている
    など

    助成金支給額

    助成金支給額は「助成事業で対象とする制度について」の助成事業1制度あたり10万円で、5つの制度まで申請が可能です。ただし、上限額は40万円迄となります。

    申請方法

    各種書類物を郵送するか、持参して申し込みができます。但し、書類を持参する場合には事前予約が必要になります。

    無料のサポート

    助成金の他にもTOKYO働き方改革宣言を行った企業に対して「専門家の巡回と助言」、「生産性向上支援コンサルティング」を無料で受けることもできます。

    ■専門家の巡回と助言
    専門家が宣言内容の取組状況を確認し、今後の進め方について助言を行います。

    ■生産性向上支援コンサルティング
    理想的なライフ・ワーク・バランス実現に向けた取組を推進させるため、業務改革、IT推進、生産管理・設備、人材育成・教育などの経営課題に対し、生産性の向上を目的とした専門家によるコンサルティングを無料で実施。

    働き方改革助成金について

    助成金を活用して、職場環境を整えよう

    働き方改革を推進するためには社内制度だけではなく、ツールやサービスの費用負担が発生するものも必要となる場合があります。しかし、助成金の支給を受けることができれば費用負担を減らすことが可能です。

    上記でご紹介した助成金の他にも様々な種類がありますので、興味があれば一度調べてみることをおすすめします。また、助成金だけではなく、働き方改革に対して積極的に取り組んでいる企業の株式へ投資して運用する投資信託もここ1、2年で登場しています。

    まだ運用期間がそこまで長くは無いものの、ベンチマークであるTOPIXと比べても運用成績は上々のようです。働き方改革に熱心な企業は、社員への投資や生産性向上の可能性が見込まれることから、中長期的に業績が向上して株価も上昇する期待があると考えられているためです。

    企業の経営資源の中で最も重要である「ヒト」に対して関心を高く持ち、働きやすい環境のもとでうまく人材の能力を引き出すことができれば、企業規模に関わらず競争優位性を発揮するができるでしょう。

    助成金の内容や金額はその年によって増減したり、予算の都合上なくなってしまったりする可能性もあるため、利用を検討している方はぜひお早めに活用してください。

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いよいよ働き方改革は”法律”

2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されています。
ここ数年、世間では「業務効率化」「生産性向上」「デジタル化」などと叫ばれてきた一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
なぜ働き方改革が必要なのか?またどのように進めていけばいいのか?
改めて今後の「働き方改革」に迫っていきます。

  • いよいよ働き方改革は”法律”
  • ”2025年の崖”とは
  • 2025年までに迎える代表的なDX
  • 中小企業はデジタル化が遅れている
  • 育児や介護をしながら働ける現場つくり

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一方で6割以上の企業が働き方改革に対して、未対応となっています。
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主な内容

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